マイケル・ジャクソンを目指す旅 ー歌、ダンス、そしてメディアの道へ 渋谷新聞大学生ライター 黒沢琉太さん

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今春から渋谷新聞のメンバーとなった大学1年生、黒沢琉太さん。小学生時代にはNHK東京児童合唱団に所属していた彼は、今年春に高校を卒業、大学では新聞学科に進学し、メディアを専攻しています。音楽とメディア、一見異なるようにも見えるこの二つに彼がかける思いとはどのようなものなのか、同じく渋谷新聞の新人ライターである私、日野将英が深く掘り下げていきます。

マイケル・ジャクソンへの憧れと合唱への挑戦

ーー黒沢さんはどのような子どもでしたか?

幼稚園児のころからマイケルジャクソンが大好きな子どもでした。歌って踊れる彼を心から尊敬していて、当時の将来の夢はマイケルでした。彼の死後まもなく公開されたドキュメンタリー映画「THIS IS IT」は暗記するほど見ましたね。今でもマイケルのことはすごく好きで、「マイケルが今の社会を見たらどう思うかな」なんて考えることもあります。

ーーマイケル・ジャクソンに凄く憧れていたんですね。NHK東京児童合唱団に入ったのもマイケルジャクソンへの憧れによるものですか?

それが大きな理由だと思います。合唱はマイケルジャクソンの歌とはジャンルが違ってしまうのですが、そこでもマイケルを目指していたように感じます。マイケルに憧れ、歌に興味を持つ自分の姿を見た両親が勧めてくれたのがきっかけです。

ーーNHK東京児童合唱団ではどのような活動をしていたのですか?

小学3年生から中学3年生まで活動をしていました。最初は養成コースに入って歌の基礎を学んでいました。そのあとにはいろんな場所で活動させていただいて、たとえばNコン(NHK全国学校音楽コンクール)とかディズニーコンサートにも出るなどしました。

▲先日の東京都知事選の投票場にて

挫折の思春期と出会いの中高生時代

ーー中高生時代はどのようなことをしていましたか?

中学生のころまではNHK東京児童合唱団での活動に加えてダンスを学内外ともにやっていました。ダンスに関してもマイケルへの憧れによるものが大きかったと思います。しかし、この時期に思春期が重なってしまい、それによる体の成長もあってダンスがうまくできなくなってきました。そこで本来気にする必要のない、他ジャンルのダンサーと自分を比べてしまい、焦りを感じてしまいました。更にダンス部では女子54人の中で男子1人だけの活動で思春期特有の対人関係の難しさと重なり、学内外ともにダンスはやめました。

ーー歌とダンスから一回離れたんですね。学校内ではほかの活動はしていましたか?

学校内では文化祭実行委員を務めていました。僕はその中の中夜祭を主に担当していて、そこで裏方の仕事に出会いました。僕は今まで歌ったり、踊ったりしてきたため、表舞台に立ってきたのですが、この文化祭では裏方で演者のサポートなどをしたことでその両方の気持ちがわかるようになりましたね。

▲spongeでの黒沢さん

メディアに向き合う現在

ーー大学では新聞学科を選ばれたそうですがそれはなぜですか?

音楽をはじめとする芸術をどのように見せるかということに強く関心を抱いたからです。小さいころから憧れ続けてきたマイケルは社会に対しての発信力が強く、それにあこがれたことや、高校の文化祭で学んだ裏方の重要性への気づきなどが大きく影響しています。また、小さい頃からNHKで多くの時間を過ごしたことで、将来はメディアに関わっていくんだという意識がすでに芽生えていたのかもしれません。合唱やダンスをやめた今でもメディアという方向から芸術にかかわり続けたいと考えています。

ーー渋谷新聞のライターになった理由は何ですか?

小学校が同じだったあみんちゅ(秋山愛美さん)や、みらん(白鳥実藍さん)などの友人たちが渋谷新聞の活動に参加していて、紹介してもらったというのがきっかけです。大学の進路選択が大きく影響しています。地元である渋谷を舞台に、大学で学んだことをしていきたいと考えています。

ーー知り合いの方が多いんですね

そうなんですよね。ほかにも中高時代に学校が一緒だった大橋遥琉さんと一緒に参加したり、幼稚園時代に一緒だったタカちゃん(宮﨑嵩之さん)と再会したり、中高時代の先輩だった結さん(久恒結さん)に会ったりなど、思わぬ人脈に最近驚いてばかりです。

ーーこれからのメディアを支えていく上でどのような役割を果たしていきたいですか?

映画やドキュメンタリー番組のような良さを持ったものを作っていきたいと思ってます。

昔観た「スターウォーズ」がきっかけで今でも映画が好きなんです。最近観たものだと「MIDSOMMAR」や「関心領域」、「14歳の栞」などが面白かったです。「14歳の栞」は、とある中学校のクラス全員に密着したドキュメンタリー映画で、特にこれといったストーリー性はないのが特徴です。しかし、この映画のどこかに自身が共感できる点や目が離せない点があるというのがこの映画の大きな魅力だと感じています。

また、NHKの「クローズアップ現代」や「映像の世紀バタフライエフェクト」などのドキュメンタリー番組も自分では絶対に体験できないことを追体験することができるという点で映画と似ていると感じていてとても好きなんですよね。メディアに関わる上で映画のようなしていないことを追体験できる映像への憧れがとても強いので、そのようなメディアを目指していきたいと考えてます。

新聞は先程お話した映像とは少し離れてしまいますが、新聞は長く残り続けることができるため、「昔はこうだったな」と読んで感じ、追体験でき、そして今の渋谷を残していけるような新聞を作っていきたいです。

編集後記

私は歌やダンスといった芸術とはそこまで縁のない人生を歩んできました。そんな中で私の知らない領域の道を歩み、極めてきた黒沢さんのお話を聞くことができ、強い刺激を受けました。また、私も今春からの渋谷新聞での活動を通して今まで考えたこともないようなものを見て、考える機会ができていると感じてます。それらの経験を生かして、今後記事を書いていく上でも黒沢さんのような広い視野を持って活動していければと思います。

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