調理ロボットで飲食業界のゲームチェンジを oh my DOT 安齊数真さん

2023年4月にオープンしたスペイン坂にあるスープヌードル専門店「oh my DOT シブヤ」。
外からガラス張りの店内を覗くと何やら目立つのがロボット。ここはスープと麺をセルフレジで選んでロボットが目の前で調理してくれる新しいスタイルのお店です。
こちらのお店の責任者でもある安齊数真さんにお話を聞いてみました。

人と人を繋げたいという思いから飲食業界へ

ーー安齊さんのプロフィールや「oh my DOT」に関わるようになった経緯をお教えください

大学を卒業後、飲食業界で働いて、このお店が3社目になります。出身は横浜市で、東京の大学に進学、大学では心理学を専攻していました。元々は小学校の先生になりたいと思っていたんです。
ただ、ある本を読んだ時に『食が人と人を繋げるハブのような存在になる』ということに気づいて飲食業界で働くことになりました。
飲食業界で働いてみて素晴らしさにもたくさん気づいたのと同時に、課題もたくさん見えてきました。その一つが人手不足。どこの店舗でも人手の確保に苦労しています。そして業界全体の利益率の低さ。売上が堅調なお店でも利益率は2%程度、そのような業界なんです。
このような課題を解決して『人と人を繋げる』ためには飲食業界のゲームチェンジが必要です。そう考えたときに調理ロボットにすごく可能性を感じました。
調理ロボットを全国の飲食店向けに製造するTECHMAGIC株式会社が直営店舗である『oh my DOT』を立ち上げるタイミングでこちらのお店に関わっています。

好みの味を選んだら自動でロボットが調理

ーー「oh my DOT」の特徴をおしえてください
10種類のスープDOTと呼ばれるフレーバーベースと、3種類の麺から自分の好みの味をタッチパネルで自由に選べば、ロボットが目の前で調理してくれるというスタイルです。
フレーバーベースはお店の名前にもなっているDOTのカラフルな形。10種類の味からその日の気分に合わせて1〜3種類を選びます。さらに、麺は細麺『ホンコン麺』のほか、『タンミョン』『ショートパスタ』の3種類から選んでカスタマイズしていきます。トッピングを選んで会計すればあとは調理ロボットが自動で調理をスタート。
『選ぶのが大変』『タッチパネルの操作が難しそう』っていう方にもご安心してください。スタッフがしっかりサポートします。

調理ロボットで人の機能を拡張していく

ーーoh my DOTでは食を通してどのようなことをやっていきたいですか?

「人と人を繋げる場所をつくりたい」という思いと、飲食業界の社会的な地位や利益率をあげたいという両方のウォンツを叶えられるのがこのoh my DOTだと思っています。
実際にTECHMAGICが作っている調理ロボットを採用している飲食店では、かなりの利益率の改善に繋がっています。
我々が提供する調理ロボットの考え方は、ロボットが得意な領域はロボットが行うことで、人の能力を拡張するということです。
全自動で食事を提供するものではなくて、調理の部分だけをロボットが代替することによって、最後の盛り付けやお客様への提供、接客などを人が行います。そうすることでお客様の体験価値を最大化することができると考えています。
食のエンターテインメントという点も重視しておりまして、接客を通してお客様がワクワクできる環境を提供したいと思っています。

渋谷から新しいコミュニティをつくっていきたい

ーー渋谷からチャレンジしてみたいことはありますか?

学生時代から代々木公園の中にあるカフェでアルバイトしていたり、社会人になってからも渋谷駅新南口の近くにあるカフェバルで働いたり、MIYASHITA PARKのスムージーショップの立ち上げに関わっていたり、気づいたら渋谷とはすごくご縁があるんです。
渋谷には様々なカルチャーがあるので、このような新しいスタイルのお店を受け入れてもらえやすい場所だと思っています。外国人の方の利用も多いですが、小学生連れの家族の方が社会科見学のような形で面白がって来てくださることも多いです。様々な方にご利用いただいています。
オープンして1年経って、これから挑戦していきたいことは、いろんなお客様のニーズに合わせた高いレベルでのコミュニティづくりです。調理ロボットが調理工程を代替することで、接客がしたいというスタッフにはどんどん接客スキルを高めてもらいたいと思っています。
oh my DOTに食べに来たカップルやグループのお客様がこの体験をして楽しんで帰っていてもらいたい。お客様もお店も両方がハッピーになる循環を作っていきたいと思っています。

インタビューを終えて

私自身も飲食店の運営をしていた経験があるので利益の確保とお客様の満足度を高める調理ロボットの可能性を感じました。
インタビューするまでロボットが調理する料理に対して半信半疑のところがありましたが、実際に体験してみて、そのエンタメ性となにより美味しいという点にびっくりしました。
お客様だけでなく、安齊さんやスタッフの方も楽しそうに働いているのが印象的でした。

◾️安齊数真
TECHMAGIC株式会社 事業推進本部 新規事業室所属。oh my DOT責任者。様々な飲食業態の運営、事業や商品の開発等に携わった後に、調理ロボットの可能性を強く感じ入社。好きなスープDOTの組み合わせは、ゴマ・マーラー・タイワンハッカクにホンコン麺、追加で炙りチャーシューをトッピング。

◾️oh my DOT
150-0042 東京都渋谷区宇田川町13-17ライズビル 地下1階
公式HP https://www.ohmydot.jp/

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