お互いを認め合うことで、自分という者の輪郭がわかる。渋谷未来デザイン花田拓海さん

毎年渋谷区で開催されている「Social Innovation Week Shibuya」(以下、SIW)。今回は主催の渋谷未来デザインでインターンをしている花田さんにお話を聞いてきました。

筆者はミーティングなどでお話したことがあるのですが、今回の取材で普段の学校生活やSIW、将来の夢など普段のミーティングでは知ることのなかった一面を見ることができましたーー

セレクトショップの店員さんと仲良くなった高校時代

えっ、生年月日から聞かれるんですか?1997年5月17日、なので今は26歳です。なんだか取り調べみたいですね。(笑)

札幌出身で、東京に出てきて今3年目です。文化服装学院に入学するタイミングで上京しました。お洋服の学校と聞くとデザインみたいな服を作る学校だと思う方が多いですが、僕は「ファッション流通高度専門士科」というコース通っています。
専門学校ってだいたい2年制が多いんですけど僕の通っている学科だけ4年制で、卒業と同時に大卒資格も取れるんです。学校ではマーケティングとかビジネスとか流通に関することを勉強しています。もっと面白いものだと色覚だとか、服の素材に関する研究も行います。

初めてファッションに興味を持ったのは高校生の時でした。地元でよく通うようになったセレクトショップがあって、そこの店員さんと仲良くなったのがきっかけです。みんながよく想像するモード系みたいな感じでした。

まぁ僕が文化服装に入ったきっかけもご想像の通りファッションが好きだったからです。

ふと「自分の好きなことで生きたいなぁ」ってある日思ったんですよね。それで家族と話し合って文化服装学院への進学を決めました。それまでは自分のやりたいことをあまり優先していなかった気がして、自分が楽しめるみたいな、そういうのが中心で仕事できたらいいなって思いました。そこで「ファッション」っていうのが頭に浮かびました。だから僕、割合と単純な理由で進学を決意したんですよ。

ファッションが好きで進学をした文化服装学院

文化服装学院って「『ファッション』について学ぶ場」じゃないですか。だから通ってるとファッション自体好きじゃなくなっちゃう人って結構いるんです。社会に出てもありますよね。趣味を仕事にすると逆にそれが嫌になっちゃうみたいな。僕は嫌になるということはありませんでした。
ビジネス系の学科でしかも専門学校ってことでプレゼン、インターンなど社会との繋がりは感じています。それが刺激になったと思います。僕の学科は特にインターンに力を入れていて、1ヶ月間フルタイムでインターンをするカリキュラムがあるんですよ。就活みたいに自分で職場を探して働くんです。

実は僕は元々学校に入る前から将来の仕事をアパレル関係とはっきり決めたわけではないんです。その、「ファッションというものを使ってなにか自分のやりたいことができないかなぁ」という感覚だったのでインターン先もアパレルじゃないなって思って、そこで僕は渋谷未来デザインに応募しました。

インターンとして入った渋谷未来デザイン

渋谷未来デザインとの出会いですか?僕、実はSIWで過去2回アンバサダー(Student Ambassador)を務めてきました。きっかけは先生に勧められて、それで2年連続でアンバサダーとして参加しました。3年目の今年は学校のカリキュラムっていうのもあってインターンとして携わっています。

インターンとして入ってみて一番初めに思ったのはシンプルに「大変」ですね。ちょうどSIWの準備期間と被ってますからね。やっていることは壮大ですけど、SIWを運営している渋谷未来デザインってそんなに大きな組織じゃないんです。でもここでインターンできてよかったなって思います。

大企業のインターンよりも、10人・20人の中のひとりなので、任される仕事も雑用じゃなくてメインに関わることができました。特にクリエイティブ系の仕事が多かったです。インスタグラム用の投稿作ったりホームページの画像を作ったり、イラストレーターとかフォトショップとか使える人が限られているのでそういった仕事を任されることが多かったです。
その中でも特にルールがあるわけではなかったので、「自分で考えて自分で作る」みたいな、割合と自由にできました。

将来やりたいこと、作りたい場

将来「場作り」したいなっていうのはずっと思っています。職業はコレ!っていうのは決めていないんです。オンラインかオフラインかもまだ分からないけど、人が集まれてそこで何かコミュニケーションが生まれる、そういう空間とかサービスを作りたいと考えてます。

実は渋谷未来デザインをインターン先で選んだ理由もそこにあって、メンバーのバックグラウンドが多種多様なんですよ。渋谷区から出向できている人もいればスタートアップ出身の人もいます。その場の雰囲気も僕の属性と合っていると感じました。その場作りみたいなところでも繋がるような気がして、インターンをしてみようかなって思いました。

渋谷未来デザインの基本にもあるダイバーシティとインクルージョンって場作りの根底にある大切な要素だと感じています。これらの要素はSIWの中でも多くのセッションで取り上げられているテーマです。お互いを認め合うことで、自分という者の輪郭がはっきりしてきて、それが自己理解やセルフラブに繋がっていくと思います。
他を知ることで自分という者をはっきりとさせていく、なんだか塗り絵に近い感覚ですね。自分という場所以外の周りを塗っていけばその形ってきっと出来上がるじゃないですか。他人を理解できたらきっと自分のことも理解できるようになるんです。

僕がファッションと出会ったセレクトショップも一つの場ですし、SIWに参加するきっかけになった学校も一つの場、SIWも一つの場ですね。僕がやりたいのがショップかイベントか、はたまたオンライン上のサイバースペースなのか、どんな形かはまだわからないです。ただ、「場というものを作って、そこに人が集まる」そういう形のものを僕は作りたいです。

今年のアンバサダーへメッセージ

今年アンバサダーになった皆さんにはこの環境を活かしてほしいです。僕がやっていた頃のアンバサダーっていうのはほとんどが個人ワークだったんですよ。個人でSIWのセッションに参加してレポートを書くというものでした。今年のアンバサダーのプログラムを見て正直びっくりしていて、この環境を存分に楽しんでほしいです。

みんな自分でやりたいって応募してくれて、メールもしっかり返してくれる行動力ある子たちが集まってくれました。僕たちSIWの運営側が誘導していくというよりは集まってくれた人たちの中で大人が考えもしなかった面白いものが生まれていったら嬉しいと、みんなと同じ学生ですが、インターンとして関わった身として思います。

◾️花田拓海 略歴
文化服装学院に通いながら渋谷未来デザインのインターンとしてSIWの運営にも関わっている。

シェア・送る