広い視点で世の中を「考える」19歳 柴山鈴花さん

「渋谷新聞」のメンバーであり、今回の「Social Innovation Week Shibuya」(以下、SIW)の学生アンバサダーにも参加している大学1年生、柴山鈴花さん。彼女が日々何を「考えて」生きているのか、彼女の本質に深堀りしていく。

環境問題がきっかけで心理学の道に進んだ

――大学では心理学を学んでいるとのことですが、きっかけは何ですか?

元々は環境問題に関心がありました。例えば街中で看板を持って抗議してる団体の活動って、自己満じゃない?抗議しても変わんなくない?って思ってて。みんなで一つの社会を目指していくなら、対立じゃなくて、協力者になってもらうためのアプローチが必要だと思ったんです。そこから、そもそも社会を変えるのは人が中心なわけで、人の根源にあるのは心だから、まず人の心っていうのを学んで、そこから社会を見ていこうと思って。

――心理学に進んだのは環境問題がきっかけなんですね。

中学生のときに環境問題に興味をもって、高校でもSDGsの活動やプレゼンをやっていて。あるとき、この現状じゃ変わらないと思って、どうしたらいいかなってときに、心理だなって。心理ってすごく領域が広いから、環境問題を心理の部分からやっていけると思って。環境問題から転じていくんじゃなくて、心理を土台におくことによって、社会が見えやすいかなって。

人が変わらないと環境問題も変わらないと思うんです。今無駄なものがいっぱい増えてるのって、人の心理がけっこう原因になってると思ってて。心に余裕がないっていうか。人間の物欲が、環境に悪循環をもたらしてるんです。ものに頼らない心の余裕みたいなのが生まれれば、ものを買うことで得られる満足感や幸福感に頼らなくなるじゃないですか。この循環をまず見直さないと、環境も変わらないと思ってます。

多世代がマインドフルネスを気軽にできる場所を作りたい

――大学の研究は、最終的には環境問題の方にフォーカスするつもりなんですか?

環境問題にも将来的には繋げていきたいけど、今やりたいことは別にあって。マインドフルネスっていうのをずっとやってるから、マインドフルネスを若い世代もできる空間を作っていきたいです。

――マインドフルネスとはなんですか?

「今この瞬間に意識を向ける」っていうのが簡潔に言ったものなんですけど。そのための方法としては瞑想がほとんどで。ただ、いちいち瞑想しなくても、呼吸に戻る、呼吸に意識を向けるだけでもいいんです。人間っていつも頭が動いてるんで、実は集中できてないんですよ。意識が分散されてるっていう。だから、今この地面に足がついてる状態っていうのに意識を向けることによって、ストレス解消とかいろいろな効果があって。うつ病とかそういう心の病気っていわれてるものって、身体の病気や怪我と違って、完全に治すことができないんです。治せないなら予防するしかないから、日常的な予防として、もっと生活にマインドフルネスを取り入れていける場所を作りたいです。

「多世代」を大事にしたくて、若い世代も、上の世代も、みんなでつながれる場所っていうのができたらいいなって。臨床心理士と公認心理士の資格をとりたいです。実際会う場を設けたときに、安全性っていう部分で、専門知識がないと危険なので。

これまでは、すでにマインドフルネスをやられてる人を対象にしかイベントを開いたことがないんです。今までやったことない人にもちゃんと伝えられて、安全性も保てる場所にするには、もうちょっと時間がかかるっていう感じですね。

――元々は大学に行くつもりはなかったとのことですが、その時は何をしようと思っていましたか?

その時はタイに行こうと思ってたんですよ。タイにプラムヴィレッジっていう、マインドフルネスの実践センターみたいなのがあって、そこに小学生のときから行ってたんです。自分がどう生きたいかなってときに、渋谷のこのフィールドにいたままで、何もしないでただ誰でもできる仕事するくらいなら、二年くらいいろんなところに行きたいなって。特にタイではいろんなフィールドに行って得たものを発信したいと思ってました。

ロールモデルはシンガーソングライターのYOSHI 世界を変えたいと思ったきっかけ

――好きな芸能人はいますか?

いっぱいいるけど、うーん、ずっと好きなのはYOSHI。中学生の時に出会って、そこから私のロールモデルは彼しかいなくて。事故に遭って19歳で死んじゃったんですけど。スマホケースに、彼の親友がイベント開いたときにつくったステッカーを入れてます。「LOVE」って書いてあるんですけど、これはYOSHIがいつもうざいくらいに愛を語るところからきてるんです。

YOSHIがいつも「世界を変える」って言うから、私も変ーえよっ!って。自分にできることしたいって思って、モチベーションはずっとそこから来てます。

渋谷は地元でもあり、旅立てる場所でもある

――渋谷生まれ・渋谷育ちの鈴花さんにとって、渋谷とは?

すごく自分の中で深く根付いてるコミュニティではあるけど、渋谷はいろんな人が出入りしてるから、渋谷っていうコミュニティの中でいろんな出会いがあります。地元であると同時に、旅立てる、出ていける場所。自分がすごく自由でいられて縛られない。地元のしがらみみたいなものは、渋谷では感じたことがないです。

――「渋谷新聞」を知ったきっかけは?

仲の良い友達が「渋谷新聞」に所属していて、その子から「渋谷新聞」の話をきいて、WEBページを保存して読むようになりました。元々知っていたし、面白い活動だなと思っていたから、「渋谷新聞」に誘っていただいたときは、ぜひ!という感じで入りました。

――今後渋谷という街にどのように関わっていきたいですか?

誰もが生きやすい街にしたいです。「ちがいを ちからに 変える街」っていうのが、渋谷区のコンセプト。だから、違いを力に変えられる、そういう空間っていうのを渋谷中心に増やしていけたらいいなと思ってます。せっかく素晴らしいコンセプトを掲げているから、それをもっと現実的に力入れて取り組んで、「やばいところもあるけどいい街よね」ってなればいいと思います。そこにちょっとでも自分が関われたら面白いかなって。

SIWについて

――最後に、SIWに参加しようと思ったきっかけを教えてください。

最初は大輔さん(渋谷新聞代表)にこういうイベントあるよって教えてもらって、そのときちょうど何かやりたいと思ってたのでタイミングがよかったです。正直何をやるのかわからなかったけど、面白そうだからやってみよって。せっかくもらったチャンスだし、私たちって次世代って言われる存在じゃないですか。そこに渋谷っていうフィールドから攻めていけたら、こんないい機会ないんじゃないって思って。そこでの出会いみたいなのも欲しかったですし。

SIWでは記事を書くグループに入ったので、取材をして記事を書くのが楽しみです。

 

今回の取材で驚いたのは、同年代の彼女が、自分よりも広い視野で世の中を見て、自分には何ができるのか考えて、実際に行動を起こしていること。自分のことに精一杯で世の中を見れていなかった自分自身に気づかされたインタビューだった。この記事が、読んでくれた方が自分を見つめ直すきっかけとなれたら嬉しい。

 

■柴山鈴花 略歴

大学で心理学を学ぶ19歳。環境問題に深い関心がある。渋谷生まれ渋谷育ちで、「渋谷新聞」のライターとしても活動している。

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