
今回は、&&のプロジェクトメンバーの紹介をしていきます。
インバウンド事業を担当しているトモジン(井上智仁さん)に、渋谷で進めているプロジェクト「shibuyabai(シブヤバイ)」について取材してもらいました。
shibuyabaiは、ヴィンテージ着物が楽しめる「TSUMUGI」、花火や居酒屋体験ができるバー「MAPS」、和雑貨や文化体験を扱う「Shibuyabai市」、さらにグループや家族で泊まれる民泊「渋ノ屋」など、渋谷の真ん中で日本文化を“体験”してもらうための仕掛けを日々展開しています。まだ26歳ながら、そのshibuyabai全体を任されているのがトモジン。日本の文化を渋谷から世界に伝えるキーパーソンに、今感じていること、これから挑戦したいことを取材しました。
見て・着て・泊まって日本の魅力を味わえる「shibuyabai」とは?
――まずは、shibuyabaiのインバウンド事業に関わるようになった経緯から教えてください。
「本格的に関わり始めたのは2024年6月なので、もうすぐ丸1年です。もともと建築が好きだったこともあって、学生のころから民泊に興味があったんです。『日本に来た外国人が、暮らすように滞在できる場所を作りたい』って思っていました。インバウンド旅行者が日本一の渋谷のど真ん中で、インバウンド事業の責任者として関われているのは本当にありがたいです」
――もともとインバウンドに関心があったんですね。
「そうですね。観光って、日本全国どこでも可能性がある分野だと思っているのですが、特に渋谷のように“カルチャーが集まっている街”は、外国人にとっても面白いはず。観光っていうと“見る”だけの体験をイメージされがちですが、shibuyabaiでは“感じる”“参加する”を大事にしています」
――今、shibuyabaiでは具体的にどんな事業を展開しているんですか?
「大きく分けて5つの柱があります。まず、着物ショップTSUMUGIでは、ヴィンテージ着物の販売やレンタル、着付け体験と撮影もやっています。外国人の方には日本の着物はとても人気で、shibuyabaiの柱の一つですね。2つめは、僕自身も責任者をしている、居酒屋・縁日をテーマにしたバーMAPS。ここでは花火や日本酒、屋台っぽいフードを提供していて、まさに“身近な日本”を渋谷で体験できる空間になっています。


3つめは、センター街で定期的に開催しているShibuyabai市。和雑貨の販売を中心に、いろんな事業者さんに出店してもらい、マルシェ的な感じです。雑貨だけでなく、アートも販売しており、観光客にはかなり人気ですね。

4つめは、僕が初期段階から関わって作った民泊の渋ノ屋。ここは家族やグループが泊まれる一棟貸しの宿で、アクセスも良く、長期滞在にも向いています。

5つめに、英語に翻訳された日本の漫画やフィギュアなどを扱うWAPIWAPIというお店があります」

――特に力を入れているのはどこですか?
「責任者なので、全体を見ていますが、特にMAPSと渋ノ屋は現場のマネージャーとしても深く関わっていますね。MAPSはセンター街のど真ん中、外で飲めるバーなので、特に季節感を大事にしています。日本酒、唐揚げなどの居酒屋メニューを渋谷の空気感を感じながら楽しめ、そして花火などの日本の情緒や遊び心を体験できる演出もしています。渋ノ屋は僕自身インテリアや建築にもすごく興味があるので、最初の構想から関わり、大輔さん(代表の鈴木)や建築家の方とも何度もミーティングを重ねて形にしていきました」
――渋谷は来訪者数の割には、宿泊施設が少ないというのも課題ですもんね。
「そうなんです。渋谷は来る人は多いけど、写真を撮るだけで、お金を落とさない。滞在しないというのが課題としてある。だからこそ、shibuyabaiのミッションとしてもそこをクリアできるコンテンツを作りたいということで様々なショップを展開しているわけです。特に、宿泊施設に関しては、ホテルはあるものの、ゆっくり長期滞在できるところが少ない、家族や友達同士と別々の部屋になってしまう、キッチンや洗濯機を使い自分のペースで滞在できるところがないという課題がありました。そこを解決するために、民泊、渋ノ屋を始めたわけです。渋谷の滞在時間を増やし、周遊を加速させるために宿泊施設の強化は特に重要なカテゴリーだと思っています」
外国人観光客と「街」の接点づくり
――渋谷のセンター街が一体となった街パスというプロジェクトもありましたね。
「街パスというインバウンド旅行者向けた渋谷のセンター街のお店や過ごし方を紹介をしたガイドブックを作りました。実際に企画を持ち込んで説明したり、取材撮影も行いました。その過程で、企業や店舗同士の横のつながりが生まれたのがとても良かったと思います。街の連携、一体化に一役買えたのではないかと思っています」
――お店同士の横の連携は素晴らしいですね。
「そうですね、やはり、僕たちが行っているショップだけに人がくるのではなく、観光客と街の人との関係が生まれる体験づくりを目指しています。今後は飲食店とのツアー連携や、交流イベントなど、街全体を盛り上げていく仕掛けも構想しています。実際に、街パスの後、渋谷センター街で和太鼓や歌舞伎などが見られるショーも開催し、街全体が一体化したイベントも実施することができました」
年齢に関係なくチャレンジさせてもらえるのが魅力。
大輔さんはとにかく決断が早くてブレない人ですね!
――それは大きな成果ですね。トモジンは若くしてインバウンド事業の責任者でもありますが、この&&で働いていてどんなことを感じますか?
「僕は26歳なのですが、入社してから1年くらいで、正直ここまで任せてもらえるとは思ってなかったです。&&では年齢に関係なく“やってみたい”を応援してくれる空気があって、そこがすごく大きいなと思っています。
若手だからといって補助的な仕事だけをやるんじゃなくて、ちゃんと責任を持たせてもらえるし、それを見守ってくれる安心感もある。もちろんプレッシャーもあるけど、それ以上に成長させてもらっている感覚がありますね。以前は不動産業で、毎日がルーティン的な要素が多かったのですが、この&&は正反対。毎日が変化、行動の連続です」
――代表・大輔さんや社風についてはどう感じていますか?
「大輔さんは、とにかく決断が早くてブレない人。現場のことも、全体のバランスも、冷静に見て判断されていて、いろんな事業を同時に動かしているのに、ちゃんと全部を見ているという安心感があります。僕たちが“攻めた挑戦”ができているのも、大輔さんの存在があるからだと思います。また、&&自体も、いい意味で“型にはまっていない”組織で、いろんな専門性、個性がある人が集まっていて面白いです。やりたいことがあれば、しっかり話を聞いてもらえるし、役職とか年齢とか関係なくアイディアが通る。フラットでオープンな空気があるところがとても魅力です」
――学生もプロジェクトに参加したりなどもしていますよね?
「そうですね。大輔さんが学生への機会提供というところも重視をしているので、学生のメンバーとも一緒にプロジェクトを動かすこともあります。僕は26歳だけど、もうすでにジェネレーションギャップも含めて毎回が刺激です。考え方も視点も自分と全然違うから、一緒にやっていて面白いし、いい意味で“ほぐされる”感じがあります。特に感じるのは、学生はハードよりもソフト重視なんですよね。デザインとかスペックより、人との関係性やコミュニケーションの空気感をすごく大事にしている。そこは僕自身も見習いたいなと思っていて、これからの事業にも生かしていきたいところです」
今後の目標

ーー今後、挑戦していきたいことはありますか?
「これからは、“体験型ツーリズム”をもっと深掘りしたいと思っています。飲食店と連携したツアーとか、街歩きしながら日本文化を感じられる仕掛けとか。単なる“観光”じゃなくて、“参加型の文化交流”みたいなイメージですね。
今すでに、着物を着てMAPSのバーで日本酒を飲んだり、Shibuyabai市で書道体験もできますが、もっとひとつひとつの体験にストーリーを持たせていきたいですね。一回来たらいい渋谷ではなく、体験価値を深めてリピーターを増やしていきたいと思います。“お客さんとお店”っていう一方通行な関係じゃなくて、フラットに文化が混ざり合う“場”をもっと増やしていきたいなと思っています。文化交流ができるよう空気を作って、もっと渋谷を“文化が交差する場所”としても進化させたいですね」
ーー最後に、今後一緒に取り組みたい人・伝えたいことはありますか?
「渋谷で長くお店をやっている人たちと、もっと一緒にやりたいですね。その人たちは、渋谷の“文化”を支えてきた存在だと思うんです。新しい世代と昔からの世代、両方が交わることで、本当の意味での渋谷らしさが生まれるんじゃないと思います。それと、これからインバウンド事業を始めたい人や、何かやってみたいって思ってる人がいたら、ぜひ気軽に声かけてほしいです。全部を一緒にやるのは難しくても、誰かをつなげたり、僕たちの経験を伝えたり、何かしらの“きっかけ”にはなれると思うので、ぜひ気軽にお声がけいただき、一緒に渋谷を盛り上げていけたらなと思います」
インバウンド事業shibuyabaiをもっと知りたい方はこちらをチェック
▶︎https://shibuyabai.com/