4(シ)月28(ブヤ)日は渋谷の日!
渋谷のご当地ビール「シブヤビール」の発売から8年になる2023年4月28日のこの日、CBDビールのIPAバージョンを限定発売開始。渋谷センター街にある宇田川クランクストリートで、発売パーティーが開催されました。
GW前の金曜日でもあり、たくさんの方で賑わう中、シブヤビールのプロデューサーであり、コックニーグラフィックス代表取締役わんぱくディレクターの水野直人さんにシブヤビール・CBDビール誕生の軌跡を聞いてみました。
「世の中にないものを創りたい」
元祖夜カフェと言われる「宇田川カフェ」や、中東をイメージした「Cafe BOHEMIA」など、渋谷を中心に飲食店やライブハウスの運営、さらに多くのアーティストが所属する音楽レーベルを手がける株式会社LD&K。
水野さんはCDジャケットや書籍の装丁デザインなど、LD&Kのクリエイティブ全般のほか、「シブヤビール ENERGY ~ MACA」をプロデュースしました。
「私の社会人のスタートは、代官山にある株式会社スーパープランニング。MR.FRIENDLYなどの雑貨・小物の企画会社です。企画の仕事がしたかったんですが配属されたのはショップ店員でした。
どうしても企画の仕事がしたいとアピールしていたら、入社1年ちょっとくらいで新しいショップを任されることに。NYに1ヶ月半くらい買い付けに行くことになりました」
その後、広告代理店などでの仕事を経て、2002年にLD&Kでの仕事をスタート。その年はサッカーの日韓ワールドカップが開催された年でしたので、渋谷がすごく盛り上がっていた時期です。渋谷系の音楽やファッションのカルチャーがまだ色濃く残っていた時期でした。
「LD&Kに入社したきっかけはCDのジャケットのデザインなどをしてみたかったから。そこでデザインのキャリアを積み重ねる中で、自分で企画・デザインした『名古屋モーニング図鑑』という本がビックリするくらい売れました。
その後も、ニューハーフによる恋愛本や、女性を誘うためのミックスCDなどを企画してきました。デザインする際の根底に考えているのは『世の中にないものを創りたい』という思いです」
ビールで渋谷を元気に
「シブヤビールを発売したのが、2015年。その頃の渋谷というと、渋谷駅の乗降者数も品川駅などに抜かれて、街から人が減ってしまって、街に元気がなくなってきたんです。
当時、宇田川カフェが15年目を迎えていたころ。LD&Kは渋谷だけでも15店舗飲食店を展開していて、なんとか自分たちのベースである渋谷を元気にしたいと話し合っていました。コーヒーやビールは人を繋ぐソーシャルドリンクだと思っています」
そこでクラフトビールに注目し、シブヤビールを作ることに。エナジードリンクの原料にもなっているマカを配合した元気が出るエナジービールを開発しました。
発売日がちょうど4(シ)月28(ブヤ)日ということもあり、渋谷の日にシブヤビールで乾杯! と発売したところ、渋谷初・発のご当地ビールということで、TVなど多くのメディアに取り上げられました。
LD&Kの系列店から発売を開始し、今では都内近郊500店舗以上の飲食店で取り扱われています。
「それから5年経った2020年。5周年を機に渋谷の街の企業やアパレルブランドと一緒にイベントをやろうとしていた時にコロナになってしまってイベントが中止になってしまいました。
みんなコロナ疲れしている状況を見て、癒しやリラックスを与える商品ができないかということで、CBD(カンナビジオール)を配合した新シリーズの「CBD Beer #chill&relax」を開発。
CBDの語呂合わせ「C(corona コロナ)B(Break ブレイク)D(Days デイズ)」として打ち出しました!」
当時としてはまだ珍しいCBDを配合した商品はリラックスしたい人たちに大ヒットし、コロナ禍の真っ只中の発売にも関わらず、発売後2年間で累計6万本を売り上げることになりました。
今回発売された「CBD Beer #chill&relax」GREEN Ver.は、新緑の季節ということもあり、緑を感じさせるパッケージデザイン。キャッチコピーは「GOD SAVE THE GREEN」。味は飲みやすいIPAです。
コロナの日々の終わりに乾杯し、ポジティブで上質な生活を!ということで3,000本限定で発売されるものです。
路上からカルチャーを発信
今回、発売パーティーを開催したのは、お店ではなく渋谷センター街の路上「宇田川クランクストリート」。4月28日(金)から30日(日)の間、夕方から夜にかけて、DJの音楽と一緒にビールを楽しめるイベントになりました。
「普段宇田川クランクストリートにいろんな人が溜まっているのを見て、溜まっているだけだったらもったいないよねと思って、この場所を使ってイベントができたら良いなと思って企画しました。
実際にここでイベントをやってみて、この場所にかなりの可能性を感じました。
今回、このイベントはほとんど何も事前告知をしなかったのですが、通りを歩く人たちがどんどん入ってきてくれて自然発生的に盛り上がっていきました。
NYで行われていた路上パーティーであるブロックパーティーや、タイ・バンコクのカオサンストリートなどの路上のイベントに憧れがあって。
このストリートから発信することでその雰囲気に近いものを出せたと思います。
音楽とビールと宇田川クランクストリートって相性がいいことがわかりました。
SNSで繋がってしまう時代だからこそ、ソーシャルドリンクであるビールで、このストリートから繋がっていきたいですね!」
◾️水野 直人 略歴
コックニーグラフィックス 代表取締役 わんぱくディレクター
1997年ファッションデザイン学科卒業。雑貨企画販売、広告代理店等を経て、飲食から音楽、書籍と多岐にわたってマネジメントを行う株式会社LD&Kにて、デザイナー、ディレクターとして活躍。2011、2012、2015年には、ミュージックジャケット大賞にノミネート。『名古屋モーニング図鑑』『ラブ・セクササイズ』(いずれも新書)や、『Sound of EXtasy』(CD)を企画。最近では『シブヤビール』をプロデュースし、注目を集める。
◾️株式会社LD&K https://ldandk.com/
◾️シブヤビール https://www.udagawacafe.com/shibuyabeer/