こども食堂がつなぐ、世代と地域─渋谷ハチコウ大学で世代を超えた「学生」が対話

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▲こども食堂について説明するえいと

渋谷区SDGs協会が渋谷の街で続けている2つの「こども食堂」。
2025年12月3日にはその学生運営メンバーが、55歳以上の区民を対象とした渋谷区主催「渋谷ハチコウ大学」にて出張授業を実施しました。
テーマは「こども食堂から広がる地域のつながり」。実際にこども食堂を運営する学生たちと、渋谷ハチ公大学に通う「学生」たちの世代を超えた学生同士の学びの場になりました。

こども食堂は「子どものため」だけの場所ではない

講義の冒頭で紹介されたのは、「こども食堂」の成り立ちと現在の役割です。
こども食堂は、もともと地域の子どもたちに無料または低価格で食事を提供する場として始まりました。しかし現在では、子どもに限らず、大人や高齢者も集まり、世代を超えて交流できる地域の居場所へと広がっています。

学生メンバーのえいと(大学2年生)からは、こども食堂に対して「貧困」や「支援」といったイメージだけが先行しがちであることにも触れながら、「誰も取り残さない居場所」であることの大切さを強調しました。
全国に1万か所以上、渋谷区内だけでも60か所以上あるという数字が示され、こども食堂が特別なものではなく、身近な地域資源であることが参加者に伝えられました。

学生とシニアが運営する、渋谷センター街のこども食堂

▲渋谷区SDGs協会のこども食堂について説明するなおや

続いて紹介されたのが、渋谷区SDGs協会が運営する二つのこども食堂です。
2022年6月にスタートした「渋谷センター街こども食堂」は、学生メンバーが主体となって毎月第4木曜日に開催されています。一方、2024年10月から始まった「昭和こども食堂」は、親世代やシニア世代が中心となり、毎月第2木曜日に開催されています。

どちらも会場は、東急ハンズ横の宇田川町ビルディング3階。
世代や立場の異なる人たちが同じ場所に集い、それぞれの役割を担いながら運営されている点が特徴です。

▲子どもとの関わりについて話をするおおはる

学生たちは、子どもとの関わりの中で気づいたことや、渋谷という街にも存在する社会課題について率直に語りました。
「高学年になると塾に通い始め、こども食堂に来なくなる子がいる」「遊び場が減っていると感じる」といった現場の実感は、参加した渋谷ハチコウ大学の学生にとっても新鮮な視点となったようです。

世代を超えて考える、地域との関わり方

▲世代を超えた「学生」たちによる対話

講義の後半では、参加者同士での対話の時間も設けられました。
「自分が子どもの頃、どんな遊びをしていたか」「今の子どもたちに何を伝えたいか」といった問いをもとに、グループで意見を交わしました。

渋谷区SDGs協会の学生からは「シニアの皆さんの経験や知恵を、地域の中で生かしてほしい」というメッセージが投げかけられました。
一方、渋谷ハチコウ大学の学生からも、子育てや地域活動の経験を踏まえた意見や感想が寄せられ、会場には穏やかな対話の空気が流れていました。

こども食堂をきっかけに、世代ごとや立場を超えたつながりができていく。そんな可能性を感じさせる時間となりました。

「こどもからこどもへ」広がる地域の循環

渋谷区SDGs協会が目指しているのは、「こどもからこどもへ」「多世代交流と地域コミュニティづくり」です。
今回の渋谷ハチコウ大学での出張授業では、日々の活動を言葉にすることで、シニア世代にとっては新たな地域との関わり方を考えるきっかけとなりました。

こども食堂を身近な存在として考えてもらい、世代を超えた学びと対話の場へと広がっていきました。支える側と支えられる側を固定せず、関わり方が循環していく地域の姿が、今回の世代を超えた「学生」同士の対話から見えてきました。

◾️渋谷ハチコウ大学講座情報
講座名:こども食堂から広がる地域のつながり
実施日:2025年12月3日
会場:渋谷ヒカリエ8階(渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツ)

講師:渋谷区SDGs協会 大学生メンバー(えいと/あみんちゅ/おおはる/なおや)

◾️渋谷区SDGs協会こども食堂
・渋谷センター街こども食堂:毎月第4木曜日
・昭和こども食堂:毎月第2木曜日
・会場:渋谷sponge(宇田川町ビルディング3階)


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