
2025年5月23日、ユニ・チャームと一般社団法人渋谷未来デザインの共催で開催された「ソフィ 知ることから、はじめる。みんなの妊活研修」。妊活というテーマに、渋谷という街で真正面から向き合った今回の研修では、「知ること」がどれだけ私たちの未来の選択肢を広げるかを考えさせられる1日になりました。
妊活は“治療”だけじゃない。選択肢を広げるための“知識”

冒頭のレクチャーでは、ユニ・チャーム村上さんが、妊活のイメージと社会的課題について解説。 「妊活=子どもが欲しい人のための医療」と思われがちですが、実際はもっと広く、“将来を考えるための準備”であるという視点が強調されました。調査データでは、妊活経験者の約半数が「もっと早く知っていれば」と回答。具体的に知りたかった年齢の平均は24.9歳。にもかかわらず、実際に妊活を始める平均年齢は30歳前後。この“5年のギャップ”こそが、情報の空白と社会の無関心を物語っているのです。
セッション:「キャリア」「ライフプラン」「パートナーシップ」を語り合う

パネルディスカッションでは、以下の3名が登壇し、それぞれの立場から妊活とライフデザインについて語り合いました。
松澤香さん(渋谷区副区長/一般社団法人渋谷未来デザイン 理事)
伊藤寿和子さん(戦略コンサルタント/Womentreneurship(合同会社Y COMPANY主催)代表)
長井千佳子さん(ユニ・チャーム株式会社 ジャパンブランドマネジメント部長)
今回のイベントの特徴は、「渋谷で」「若い世代も」「男女ともに」参加していたこと。副区長の松澤さんは「渋谷という都市は、こういう“語りにくさ”をほぐしていける土壌がある」と語っていました。渋谷では、女性の健康をテーマにしたイベントや、ランニングによる啓発、ウェルネスの日の制定など、“知って、つながる”ための仕掛けがすでに動き始めています。
また、伊藤さんが今回の登壇にあたり「28歳の私が妊活を考えていることを友人から“早すぎる”と言われた」と話していました。ユニ・チャーム株式会社の長井さんからは「正しい情報に早く触れることで、人生の選択肢が広がる」とし、生理管理アプリ「ソフィBe」や妊活シミュレーターといったツールの紹介がありました。
プレコンセプションケアは「特別なこと」じゃない

生理管理アプリ「ソフィビ―」や妊活シミュレーターなど、現代ならではのサポートツールも紹介され、「自分の状態を知る」→「パートナーに共有する」→「一緒に未来を考える」というステップの大切さが強調されました。婦人科受診のハードルを下げる提案や、キャリアと妊活を両立する現実的な課題、そして「一番大事なのは“話せる関係性”を築くこと」——。それらの言葉は、決して年齢や性別を限定しない、全員に開かれたメッセージだったと思います。
「妊活のことを考えるなんて、まだ早いと思っていた」
多くの参加者がそう感じていたように、研修では“タイミング”の話も繰り返されました。妊娠率は20代後半からゆるやかに低下を始めます。けれど、その変化を知る機会も、気づく余裕も、多くの若者にはありません。
今回の研修は、「妊娠を急げ」というメッセージでは決してなく、「自分の体と未来を、もっと早くから知っておくと楽になるよ」という寄り添いの提案でした。
「知らなかった」から「話せる」へ。

妊活は、人生の選択肢を広げるための“知のインフラ”。
渋谷という街が、その出発点になろうとしていることに、私自身も大きな希望を感じました。「妊活? それって自分にはまだ早い話でしょ?」そんな風に思っていた人にこそ届いてほしいイベントでした。そして、何よりも私自身が、これからの自分の体・人生・つながりについて、ちゃんと考えていきたいと思えるようになった1日でした。
■イベント概要
「ソフィ 知ることから、はじめる。みんなの妊活研修」
日時:2025年5月23日(金)
場所:渋谷キャスト
■開催内容
【第1部】「ソフィ 知ることから、はじめる。みんなの妊活研修」
・自分のカラダについて
・ライフプラン・キャリアプランについて
・「妊活」を知ることから始める意義
・妊娠に向けたさまざまな選択肢について
講師:ユニ・チャーム株式会社 グローバルフェミニンケアマーケティング本部 村上真菜
【第2部】トークセッション(モデレーター:河本 伸明氏)
・松澤香(渋谷区副区長/一般社団法人渋谷未来デザイン 理事)
・伊藤寿和子 (戦略コンサルタント/Womentreneurship (合同会社Y COMPANY主催)代表)
・長井千香子(ユニ・チャーム株式会社 ジャパンブランドマネジメント部長)