
2025年6月の出前授業に続き、渋谷区立笹塚中学校の1年生約80人が、7月4日(金)に渋谷区内の企業を訪問する校外授業を実施しました。これは、渋谷区が導入する独自の探究学習「シブヤ未来科」の一環。生徒たちは10のグループに分かれ、それぞれの企業を実際に訪問し、SDGsに関連する取り組みや企業の社会的な役割について学びました。
今回の取り組みは「渋谷の”コミュニティ” のための “コミュニティ”」をつくる団体「Community for Communities Shibuya」(以下、C4C)の活動として行われました。
「働くこと」と「まち」とのつながりを体感

笹塚中学校を出発した生徒は10時に各企業に到着。
今回訪問した企業の業種は、インバウンドから屋外広告、スポーツ運営、健康食品、写真館まで多岐にわたります。
午前中は、各企業から事業の紹介と取り組んでいるSDGsについての説明。その後、職場見学・職場体験などを行います。どの企業でも、生徒たちは社員の方々の話を熱心に聞き、メモを取りながら質問を重ねる姿が印象的でした。
訪問先の1つ、株式会社7&COLORSは、神宮前6丁目にあるアイサロン併設のセレクトショップ「organic life & eye style RiboN」を運営する企業(代表:鈴木七緒)。まつ毛エクステなどの目元周りのケアを通じて「自分らしく美しく生きること」の大切さが語られました。また、オーガニック商品を扱うショップも運営しており、生徒の皆さんに実際に商品を体験してもらいました。自然との共生や環境負荷を減らす取り組みについて、生徒たちから関心が寄せられていました。


企業のSDGsを中学生が考察
各自持参したお弁当の昼食時間を挟み、午後のワークショップでは、6月の事前授業で用意した問いをもとにインタビューを行い、学んだ内容をもとに自分たちが考える新しいSDGsのアイデアを発表。企業の方からフィードバックをもらう時間も設けられました。
訪問先の一つである太平洋商事では、「渋谷新聞」を運営する立場から、SDGsをテーマにした新聞づくりのワークショップが行われました。
生徒たちは二人一組となり、自分たちで新聞社を立ち上げたという設定で、コンセプトづくりからレイアウト制作を実施。各工程に驚くほどの集中力で没頭していました。
最初は控えめだった生徒たちも、すぐにチームで協力し、活発に意見を交わしていきました。
特に印象的だったのは、タブレット端末を使いこなしながらレイアウトを工夫していた姿。何度も調べ直し、よりよい紙面を作り上げようとするその熱意とこだわりには驚きでした。完成した新聞を嬉しそうに見せてくれた生徒たちの笑顔に、担当したスタッフも心がポカポカしました。

今回の訪問先企業は以下の通りです。
- 世紀東急工業株式会社(道路舗装・景観整備)
- 株式会社ダイアナ(女性用補正下着の企画・販売)
- 株式会社白寿生科学研究所(健康食品)
- ササハタハツまちラボ(渋谷区役所・渋谷未来デザインによるまちづくり団体)
- 株式会社光潮社(写真館・貸衣装)
- 株式会社7&COLORS(アイサロン・オーガニックショップなど)
- 株式会社シブテナ(不動産賃貸仲介)
- 太平洋商事株式会社(インバウンド/屋外広告/ローカルメディア)


探究学習のテーマである「SDGs」と「地域との関わり」を、リアルな現場で体験することで、生徒たちは、社会と自分のつながりを見出している様子でした。
C4Cや各企業の協力により、次世代を担う生徒たちにとってかけがえのない体験が実現しました。