
終戦記念日の8月15日(金)、道玄坂のライブハウス「PLEASURE PLEASURE」で、チャリティライブ「HAL SUMMER LIVE~非戦~」が開催されました。開場前から長蛇の列、満員の約320名が集まり、暑い夏も吹き飛ばすような熱気に包まれました。
家族で奏でる温かなステージ

ステージに立ったのは、沖縄・コザ(現沖縄市)で育ち、“琉球最後のユタ”とも呼ばれるアーティスト HAL さん(56歳)。元オフコースの松尾一彦さんもゲスト参加し、往年のファンの皆さんだけでなく若い世代の人たちにも大いに盛り上がりました。
途中では妻であり「ゆいがーる」のメンバーでもある SHOKO さん、そして娘の AYANE さんも加わり、家族のセッションが行われました。終戦の日に、家族ならではの温かなセッションに心がすごく温められました。
「自分と仲直りすること」から始まる非戦
HAL さんの歌はもちろん、歌の合間に話してくれたメッセージがとても印象的でした。
HALさんが伝えたのは、「戦いは自分との戦いから始まる」というメッセージ。落ち込んでも自分を責めるのではなく、自分と仲直りすることが大切だと語りかけ、観客の心に深く響いていました。
ライブ開催に際し、HALさんから以下のメッセージをいただきました。
8月15日、終戦の日。
私は渋谷という音楽の街に、ひとつの“静かな祈り”を響かせたいと願いました。沖縄で生まれ育った私にとって、「戦争」は過去の出来事ではなく、
今も土地の記憶として息づいています。
沈黙のなかに漂う痛み。語られなかった声。
それらを音楽というかたちで受けとめ、伝えたくなったのです。渋谷は、若い感性と表現が集まる場所。
だからこそ、ここから「武器を持たない声」「暴力に寄らない意思」を発信したい。
その想いを込めて、【8月15日・非戦ボランティアコンサート】を開催します。会場は、渋谷プレジャー・プレジャー。
入場は完全無料です。
このコンサートは、クラウドファンディングの支援により実現しました。当日は、会場内に募金箱を設置し、オリジナルグッズの販売も行います。
その収益の一部は、「国境なき医師団(Médecins Sans Frontières / MSF)」を通じて、
紛争や人道危機の現場で命を守る医療支援活動へ寄付いたします。音楽は、誰かを裁くためではなく、誰かを包むためにある。
声を荒げずとも、やさしく、深く、非戦を伝えることはできると信じています。争いが絶えない今だからこそ、
“静かな選択”としての「非戦」を、
渋谷の真ん中から──あなたと共に、奏でたい。8月15日、渋谷プレジャー・プレジャーでお会いしましょう。
まなざしと祈りが交差するその場所で、新しい希望の音が生まれることを信じて。── HAL(アーティスト)
渋谷から広がる“静かな祈り”

今回のライブはクラウドファンディングで運営費の一部をまかない、完全無料で実施。当日は募金箱やグッズ販売も行われ、収益の一部は「国境なき医師団(MSF)」を通じて医療支援活動に寄付されました。
戦後、闇市から文化と多様性の街へと変わってきた道玄坂。
戦後80年という節目の年。その歴史の中で、渋谷という街の過去から未来へと繋がっていく力を強く感じました。
12月5日には東京・恵比寿ガーデンホールでチャリティーコンサートが実施される予定。“静かな祈り”として渋谷から発信された非戦のメッセージは、これからもつながっていきます。
