渋谷警察署裏手の渋三広場に映画『Page30』のメインシアターとして建った『渋谷 ドリカム シアター』。この場所のオープニングセレモニー＆レセプションパーティーのために仕掛け人のDREAMS COME TRUEの中村正人氏ほか、『Page30』の監督・堤幸彦氏、出演者の唐田えりかさん、林田麻里さん、広山詞葉さん、MARKIIIさんらが集結した。そんな中で中村氏にこれまでの経緯や、このシアターに賭ける意気込み、そして意外な渋谷との繋がりについて語っていただいた。
収支関係なく皆さんにお返しをしたかった
「ようこそ『渋谷 ドリカム シアター』へ！ オープン!!」
4月10日、DREAMS COME TRUEのメンバーであり、シアターの総支配人でもある中村正人氏のかけ声とともにテープカットが行われ、映画『Page30』（4月11日公開 堤幸彦監督）のメイン上映館として開館した『渋谷 ドリカム シアター』。この場所で10日は、オープニングセレモニー＆レセプションパーティーが行われた。
「僕らの会社であるDCT entertainmentで『Page30』という映画を作りました。これをなんとか皆さんに届けたいということで、映画プロデューサーの紀伊宗之さんに相談したら、映画のための劇場を作るところから始めたらいいんじゃないかというアイディアをいただきました!! 今はひとつの夢が叶った喜びでいっぱいです」と笑顔を見せた中村氏。
このシアターオープンまでの最大の苦労は「お金」だったと本音もポロリ。
「収支が取れないイベントは今は絶対にやらないというのが経営者としては当たり前。ただ我々、DREAMS COME TRUEはこの間、36周年を迎えまして、皆さんからいただいてきたものはたくさんあります。そのたくさんあるものを、収支関係なくお返しできればという形で映画を作りましたし、上映するための映画館も作ることができました。これはとても幸せなことだと思います」
渋谷とともに成長してきたドリカム
そんなシアターをどうして“渋谷”という土地に建てようと考えたのだろうか。
「実は渋谷にはDREAMS COME TRUEは大変縁があるんです。まず僕は青山学院大学に在学していたので、渋谷にはしょっちゅう、足を運んでいましたし。吉田美和が初めて十勝から出てきた時も道玄坂の坂上に住んでました。そして僕がドリカムの元メンバーである西川隆宏と初めて会ったのも旧渋谷公会堂の裏で、そこで一緒に音楽をやらないかと誘いました。
またDREAMS COME TRUEがキャリアをスタートさせた初のライブハウスも渋谷の『TAKE OFF7』。当時は“公園通りの坂上がり”という逸話があり、坂をあがりながら会場が大きくなっていくというバンドをやる者の夢があったんです。僕らはその“公園通りの坂上がり”通り、渋谷クアトロ、旧渋谷公会堂、NHKホール、代々木第一体育館と会場が大きくなり、動員が増えていきました。数えきれないくらい渋谷との関わり合いがあり、共に成長してきた感があるんです」（中村氏）
渋谷に情熱を注いでほしい
だからこそ、中村氏には並々ならぬ渋谷への思いというのがある。
「ある程度、年を重ねた方の中には、もう自分たちが知っている渋谷ではないと肩を落とす方もいる。でもそうではなく、我々が渋谷に賭ける情熱が足りないのではないかと僕は思うんです。これだけ再開発が進んで箱モノがどうのこうのと言われますが、その箱の中を埋めるのは我々。これからも渋谷と一緒にわれわれも……僕はもう66歳ですが、まだこれから渋谷で夢を叶えていこうとする皆さんを応援していきたいと思っています」
あなたの夢もこのシアターでかなえよう
具体的には6月1日まで『Page30』が上映されるが、その後はここをどう使っていくかは現在、検討中なのだとか。さらに中村氏は、
「9月まではこの土地を貸していただける契約となっています。もちろん場所代はいただきますが、その場所代に見合うイベントがあれば是非相談していただきたいです。今、募集中などで。例えば学生さんでバジェットがないけど映画上映やお芝居の上演をしたい、ファッションショー、レセプション、ヨガ教室、ディスコ大会などを開いてみたい企業の方、そういうのも受付てますのでご相談ください」とユニークな貸し小屋構想も明かした。
「昨今、夢を見るのは恥ずかしいとか、夢は見ているだけではダメだとか。夢を語るとSNSで叩かれる風潮なんかもある。でも僕はとにかく夢は持ってもらいたいと思います。夢を持てば目標ができて道ができる。その道は厳しいですが、楽しくてエキサイティングな人生になると思うので。夢を持つことを恥ずかしがったり諦めたりしないでほしいと思います。是非『渋谷 ドリカム シアター』で皆さんも夢をかなえてください」（中村氏）
◾️『渋谷 ドリカム シアター』
渋谷区渋谷3-7-1（渋三広場）
◾️映画『Page30』
2025年4月11日（金）より公開中
配給／DCT entertainment
（Ｃ）DCTentertainment
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