7年前、大学生のときに来日し、そのまま日本で働くことを選択したセレクトラ・ジャパン株式会社カントリーマネージャーのファニー・ベルトさん。今回は、ファニーさんの日本や渋谷に対する思いやキャリアについて、お話を伺いました。
言語を学ぶことで世界が広がった
ーーどんな学生時代を過ごしていましたか？
「13歳のとき、プロバスケットボール選手になりたくてバスケの強豪校に入学して頑張ったのですが、卒業間際に大きな怪我をしていしまいました。ちょうど大学について考えるタイミングでもあったので、このままバスケを続けるか、何か他の新しいことに挑戦してみるか悩みました。当時、英語が分からないことによる自分の視野の狭さを感じていたので、まずは語学を勉強しようと思いバスケをやめて、高校の最後の１年間をアイルランドのダブリンに留学し、新しい言語や文化を学びました」
「大学はパリ政治学院に入学しました。幅広い学問を学ぶことができ、さらに全て英語で授業が行われるパリ政治学院は色々なことに興味を持っていた自分にとってとても世界が広がりました。大学3・4年生のとき、他の国の文化に触れたいと思い、大学が提携していた慶應義塾大学の経済学部に留学しました」
ーー大学時代から日本で働くことを視野に入れていたのですか？
「日本のことはとても大好きなのですが、インターンシップなど就業経験をして、どうしても日本の働き方や日本の仕事のやり方が自分とは合わないなと思っていました。日本の大きな企業からオファーがあったのですが、働き方が合わないという点でお断りし、フランスに帰ろうと思っていたタイミングで今の会社からオファーがありました。フランスの会社だけど日本法人を作りたいということで、働き方は海外スタイル。本当にタイミングが良かったです」
日本で働くということ
ーー今はどのようなお仕事をされていますか？
「ポジションとしてはカントリーマネージャーをしていて、さまざまな部署やプロジェクトがあるので、それらをうまく連携させ設定した目標をどのように達成することができるかコミュニケーションを取ったり、一緒に考えたりするなどしています」
「とても小さい会社なので、毎日色々なチームの人と話すなどして会社全体を見ています。自由に働けているのでとても楽しい職場です」
ーー働く上でのモチベーションはなんですか？
「フランスでうまくいってるプロジェクトを日本でも行えるように輸入して、日本らしいやり方でできるように知識を使い、日本法人が満足するやり方でプロジェクトができること。これが私のモチベーションですね」
「私はもちろんフランス人ですけど、7年間経験した日本の文化と日本での仕事のやり方はとても影響していると思います。個人的にフランスと日本の両方を楽しめているのですが、仕事も一緒でフランスの良いところ、日本の良いところをピックアップしてうまくバランスを取って仕事ができていることもモチベーション維持に繋がってきます」
ーー日本で働くということについて教えてください
「日本のことが大好きだし、日本で仕事をすることも楽しいのですが、日本人に生まれていたとするとと考えると、どうかな？と正直思っています。もし日本人だったら今の自分のようなポジションで働くのは難しいのではないかと感じていますし、まだ日本の男性と女性の仕事における格差のようなものは感じますね」
ーー今日本で楽しく働けていますか？
「フランス人ってすごくわがままだと思っていて自分のやりたいことしかやらないんです。興味がないとやらないのですが、私が今の仕事を7年間も続けられているのはとても楽しいからだと思います。自分のやってることが周りの人に影響を与えられていると感じられるし、直接その影響を見ることができるのもモチベーションが上がるポイントですね」
「オフィスで仕事をするのももちろん好きですが、東京には素敵なカフェがあるので外に出て仕事をすることもあります。休みの日も、趣味のスポーツをしてカフェで勉強や仕事して買い物して、などを渋谷で行っていますね」
ーー今の就活中の学生や海外で働きたいと志している学生にアドバイスをするとしたら？
「海外に住みたい！海外で働きたい！のであれば自分の思う当たり前を期待しないでください。それと自分に自信を持ってくださいと言いたいですね」
「それと海外は結構ダイレクトにアドバイスをしてくることも多いので、怒られていると思わずに何事にも挑戦して欲しいですね。日本は結構センシティブなので、私自身も日本人と話す時は少し言葉選びとかを気をつけています」
ファニーさんが思う「渋谷」
ーー渋谷の学生に期待することはありますか？
「渋谷のイメージに、日本の未来というかダイナミックさがあります。全体的な未来を作れる場所だと思いますので、日本が成長するための若い人たちのパワーには期待しています。責任を感じることができる大きなプロジェクトなどを経験して欲しいです。会社に入るでもいいですし、自分でやるでもいいと思います」
「自分の人生を考えるとき、まずは自分が幸せでいることが重要だと思います。なのでファーストキャリアを考えるときは、周りをどう幸せにするかではなくて自分をどう幸せにするかを考えて欲しいと思います。自分が幸せでいることは、周りに派生していくと思いますので自分の好きな道を見つけてください」
ーーファニーさんの渋谷との出会いはなんですか？
「7年前から渋谷にはお世話になっております。電車の乗り換えも渋谷でしたし、遊んでいたのも渋谷でしたし、初めて日本で仕事をした場所も渋谷でした。今の会社も渋谷にありますし、渋谷は私にとって非常に大事な場所です。7年間で私も渋谷に影響されましたね。建物も雰囲気もすごく変わりますし、渋谷は早いペースで変化ができる場所だと思っています」
ーー渋谷でしていきたいことはありますか？
「海外の人から見ると渋谷ってスクランブル交差点のイメージが強いんですよね。私の祖母も会社の住所を見るとスクランブル交差点と言います。でも渋谷のいいところってそれだけではないので、渋谷の他の部分を見せていけたらいいなと思っています。アートがある場所や神社、自然などもあるので渋谷のダイバシティを見せたいです」
ファニーさんの行動力とキャリアに対する思いをたっぷり聞くことができました。日本への愛、そしてフランスとの違いから日本の若者に期待した熱いメッセージを語ってくださったファニーさん。これからのファニーさんの活躍も楽しみです。
▪️ファニー・ベルト
フランス南西部生まれ。2019年セレクトラ新卒入社。入社後すぐに日本現地法人の立ち上げを任され、日本オフィスおよびコールセンター事業の開設などを成功させる。入社2年目で異例の抜擢を受け、2021年ジャパン・カントリーマネージャーに就任。現在はWebメディア、コールセンター、不動産パートナー事業、在日外国人向けサービス事業およびバックオフィス全般を統括している。
セレクトラ・ジャパン株式会社メインサイト：https://selectra.jp
ファニー・ベルト紹介ページ：https://selectra.jp/company/leaders#fanny
ファニー・ベルト Xアカウント：https://x.com/FannySelectraJP
