【開催レポート】SHIBUYA109 lab. 「トレンド大賞2023 メディア発表会」開催

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2023年11月8日(水)にSHIBUYA109で「SHIBUYA109 lab. トレンド大賞2023」と題してZ世代が選ぶ今年のトレンド8部門の受賞項目の発表などのメディア発表会が行われました。

around20(15歳〜24歳)女性を対象としたWebアンケート形式にて、2023年9月〜10月にかけて調査したものです。

メディア発表会では、渋谷新聞でも以前インタビューさせていただいたSHIBUYA109 lab.所長の長田麻衣さんが登壇し、実際に流行を取り入れている、Z世代の女子大学生4名のパネリストとともに2023年のトレンドを振り返りました。(長田さんの記事はこちら

発表されたのは「カフェ・グルメ部門」「アーティスト部門」「ヒト部門」「コンテンツ部門」「SNSコンテンツ部門」「コスメ・スキンケア部門」「ファッション部門」「体験部門」の8部門です。

今年のトレンド大賞は「確かにこれ流行ったな! 」と思えるものがランクインしているのが印象的でした。

私がこの中から2023年を感じられるものは、「コンテンツ部門」のBeReal.です。

今年は新たなSNSが複数登場。特に気心の知れた友達とだけ限定的に共有することを目的としたSNSが多く、コロナ禍で変化したZ世代のコミュニティに対する意識が反映されているそうです。その中でもBeReal.は、Instagramのようにオープンなものとは違い、1日1回、ランダムに通知が届き、その場で写真を撮影し投稿する「クローズドSNS」として人気を獲得しました。加工する機能がないため、無加工でありのままの姿を繋がっている友人に共有できることで、リアルな自分の生活を共有し合えることが魅力なものです。

▲ライターの投稿

SNSだけではなく、今年は深く狭いコミュニティを楽しむ傾向にあったそうです。実際にBeReal.をやっていて「クローズドSNS」を体感するとともに、通知に敏感なZ世代が撮りたくなってしまう、中毒性のようなものがあるのではと思いました。

また、全体的にTikTokなどのショート動画から情報収集することが常識になっているなとも感じました。実際に「アーティスト部門」のアーティストの楽曲などはTikTokでBGMとして人気ですし、「体験部門」の友達がやっているカフェ/バーも、ショート動画で人気になりました。

▲友達がやっているカフェ/バー

友達がやっているカフェ/バーは、『店員が客の友達』という設定で接客してくれる様子がショート動画で広まったお店です。メニューも「いつも飲んでるやつ」など、お店の常連であるかの様な世界観に入り込めるような仕掛けがしてあります。店員とのコミュニケーションで、友達のバイト先に遊びに来たかのような感覚が楽しめる、体験を超えた”没入感”が魅力だそうです。

ほかにも「オオシャレ魔女 ラブ and ベリー オシャレまほうカフェ」「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京‐メイキング・オブ・ハリー・ポッター」などがランクインし、没入感はもちろん、幼少期の”リアルにエモい”ものも重要視されていました。

▲左から「オオシャレ魔女 ラブ and ベリー オシャレまほうカフェ」「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京‐メイキング・オブ・ハリー・ポッター」

所長である長田さんは「今年は新型コロナウイルスの5類引き下げによるマスク着用の減少やイベント・外出制限の解除もあり、昨年よりも急速にコロナ禍以前の生活が戻ってきた実感がありました。また記録的猛暑も影響し、ナイトタイムの消費が活発になるなど、Z世代の行動範囲にも変化が見られました。

一方、コミュニティに対する意識はあまり変化は見られていません。引き続き狭く深い関係を重視し、コミュニティ拡大に対するモチベーションが低い傾向にあり、「うちらだけで楽しめること」を大切にする姿勢は、今後も継続すると分析しています。

最新の動向として、Z世代は消費において『本物であること』を重視する傾向が見られます。より信憑性の高い情報を得るために、画像よりも更にリアルな情報を得られるショート動画での情報収集が主流になりつつあるほか、これまでも活発に行われていた「体験消費」も、空間の演出に加えストーリー性も楽しまれるようになり、その世界観にだけ集中できる「没入感』のある体験が求められ始めています。

情報収集のスキルも、体験の経験値も高いZ世代に対してアプローチするには、企業の真摯な姿勢がより重視されるでしょう。」とまとめていました。

Z世代の声は世も変えてしまう本当に貴重なものだと改めて実感しました。2024年のトレンド大賞も楽しみです!

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