夢はグランドスラム優勝! テニスプレイヤー石井さやか選手

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2023年3月18日に渋谷区立神宮前小学校で、同校PTA主催によるプロテニスプレイヤーの笹原龍選手の小学生向けテニスイベント「ささはら選手とLet’sテニスク」が開催されました。イベントにはゲストとして、全豪オープンジュニアでベスト4という素晴らしい成績を残した石井さやか選手が参加しました!

3月20日にプロ転向の会見も行ったさやか選手に、中学の先輩でもあるライター金光がインタビューしました!

テニス初心者の子供たちと楽しくLet’sテニス!

▲テニピンを使ってスポンジボールのリフティングでボールコントロールの練習をしている様子

ウォーミングアップから始まった低学年向けの第一部。子どもたちにペースを合わせてゆっくり走るさやか選手を追い越し、楽しそうにランニングする子どもたちの姿が可愛かったです。

練習は、テニピンという手のひらラケットを使い、ボールに慣れることから始まりました。はじめはテニピンにボールを当てることはできるものの、狙い通りにコントロールできず、飛んでいってしまったボールを追いかけ走り回る子どもたちが大勢いました。

笹原選手の「ボールが当たるラケットの位置や向きによってボールの飛ぶ方向が変わるから、みんなラケットの真ん中で打てるように頑張ろう!」というアドバイスを聞き、改めて1分間のリフティングに挑んだ子どもたち。
なかには、はじめは10回しかできなかったのが30回もできるようになった子もおり、やはりプロ選手のアドバイスは的確でわかりやすいな、と感じました! 

友達とテニピンを使ってラリーをする時には、予想外の方向にボールが飛んでいってしまうこともあり、それに翻弄されつつ、お友達と名前を呼びあいながら楽しむ様子が見られました。友達が打った球を一度手でキャッチしてからテニピンで友達に打ち返すという方法で10回ラリーができるまで頑張る、と笹原選手から新たに課題が出されると子どもたちの表情も一層真剣になり、無事に全てのペアが10回を達成! 「ラリー楽しかった!」という声がたくさん聞こえました。

▲ラケットでボールを打つ練習

手で投げられたボールを打つ練習では、3チームに分かれ、テニピンでネット越しの的に向けて何回もボールを打ちました。
参加者の中には「当たらない〜!」と苦戦している子もいましたが、笹原選手やさやか選手のアドバイスで、だんだん上手になっていきました。

テニピンでボールを打つことが上手になった子どもたち。最後の練習ではいよいよ、試合で使うようなグリップ(持ち手)のあるラケットを使い、的に向けて打つ練習に挑戦!

テニピンとは違い打つ面が手のひらから少し遠く、打つ感覚も違うラケットで狙い通りにボールを打つことの難しさを経験していました。しかし、練習を重ねるうちに、ネットを越えなかったボールがネットを越えるようになっていきました。
終盤には的に当たる子も増えて、ラケットを振る姿も様になっていました!

▲笹原選手とラリーをするさやか選手

低学年向けの第一部と高学年の第二部の間には、笹原選手とさやか選手のエキシビションラリーがありました! 

ボールがスポンジ素材のものだったのでテニス特有の「バコン!」という音は控えめでしたが、鋭い球筋と全くぶれない安定したラリーはとてもかっこよく、いつまでも見ていたかったです! 

サーブも披露してくださり、スポンジのボールを打っているとは思えない速さと、床に当たるボールの音がラリーをしていた時とは比べ物にならないほど大きな音、見学していた大人たち含め大盛り上がりでした!
さやか選手の「サーブは180km/hくらいの速さが出る」という言葉にみんな驚いていました。

イベント前に独占取材!

ーー全豪オープンジュニアベスト4おめでとうございます! インスタを見ながらずっと応援してました! 初めに、簡単に自己紹介をお願いしてもいいですか?

こんにちは。石井さやかです。17歳の高校2年生で、プロを目指してテニスをやってます!(取材後プロ転向を発表)

 

ーーテニスをプレーしていて一番楽しいのはどんな時ですか?

一番楽しいのは、練習したことや、頑張ったことを試合で活かすことができた時です。
対戦相手の方と戦い合えた時、高め合えた時がとても楽しいですね! 

 

ーー拠点を海外に変えて、大変だったことはなんですか?

アメリカに移って一番最初にぶつかったのは、言葉の壁でした。

英語の勉強は拠点を移してからも一生懸命頑張っていて、今は少しマシになったと思います。
初めのうちはESL(English as a Second Language:第二言語としての英語)の授業を取っていました。授業では、ネイティブの先生に第二言語としての英語を教わりました。
自分では、Netflixの映像を英語で見たりなどして、特に大切だと思ったリスニング力を鍛えることを頑張りました。

 

ーー今年拠点をアメリカのIMGアカデミー(フロリダ州にある世界的に有名な寄宿学校・スポーツトレーニング施設)に移して2年目ですよね? この2年で変化したことはなんですか?

変わったことは二つあって、一つは、ポジティブになったことです。
周りにポジティブな人が多いこともあり、私自身の思考も自然とポジティブになってきました!
もう一つは、練習が好きになったことです。

好きになったのは、拠点を移した1年目のトレーニング期間で、実はそれまではあまり練習が好きではなかったんです。
遠征が多くて、アカデミーに戻っても2、3日で次の遠征に発つことがほとんどなので、長い期間練習をするということはほとんどありません。ただ、12月から1月までの1ヶ月間は試合がなく、アカデミーでみっちり練習をする期間になっています。
その期間できつい練習をとにかくたくさんしたことで、ランナーズハイのような、「きつい」が1周回って「楽しい」に変わったことを実感できました。
最近では、頑張ることが嫌いだった昔が嘘だったかのように、きつい練習に対するモチベーションが変わってきました。

「ここで頑張ったらもっと強くなれる!」と、時には自分を追い込み応援することで、より頑張ることができ、結果的にスキルアップや自信にもつながっています!

楽しむことが何よりも大切!

ーー今回のイベントは小学生向けのイベントということで、夢や目標に向かって頑張っている子どもたちに向けて、頑張り続けるための秘訣を教えてください!

最近特に感じることなんですが、やっぱり、どんなことにおいても、とにかく楽しむことが大切だと思います!
楽しくないと頑張れないですし、私自身、ダメだった時にもその過程を楽しむことを大事にしています。負けも勝ちにつながっているからこそ、どんな時も楽しむことが大切なんじゃないかなって思っています! 

 

ーー最後に、プロ転向への意気込みをお願いします!

プロになるということは、テニスプレイヤーが職業になるということなので、所属契約などにより、今までよりも責任が重くなることでもあると思います。勝負の世界だから、もちろん勝たなくてはならないけれど、頑張りつつも楽しみたいと思います!
そして、目標であるグランドスラムでの優勝を果たしたいです!

 

中学の頃の印象は、とにかく強くて、テニスの神様みたいだなと思っていた一方で、想像以上にノリが良く、年相応な可愛い後輩でした!改めてインタビューをするということで、お互いとても緊張していたのですが、プロという世界に踏み出そうとする、さらにかっこよくなったさやか選手の姿を知ることができ、とても嬉しかったです!

いつまでも応援し続けます!!

 

◾️石井さやか 略歴

5歳からテニスを始める。9歳の時に全豪オープン、全英オープンを観戦。この観戦がきっかけで世界で活躍するプロテニスプレイヤーを目指すようになり、小3から海外遠征を始める。ジュニアとして数々の戦績を収め、2022年 11月のビリー・ジーン・キング・カップでは、自身初めての日本代表に選出。2023年全豪オープンジュニアでは女子単複ベスト4、シングルスジュニアランキング自己最高の8位となる。プロ転向を迎え、今後世界での活躍が期待されるプレーヤー。

 

【国内の主な戦績】

2017年 全日本ジュニアテニス選手権12歳以下 単:準優勝 複:優勝
2019年 全国選抜ジュニアテニス選手権 優勝
2019年 全国中学生テニス選手権 準優勝
2022年 全日本ジュニアテニス選手権18歳以下 優勝
2022年 ビリー・ジーン・キング・カップ日本代表に選出


【海外の主な戦績】

2018年 Tennis EuropeTE Kystmesterskaberne 準優勝
2018年 Tennis Europe Birkerod 優勝
2019年 Tennis Europe Cacak Open 優勝
2019年 Tennis Europe LBS Cup Waiblingen ベスト4
2021年 ITF World Junior Tour Hyogo International junior tournament 1複:優勝
2021年 ITF World Junior Tour Hyogo International junior tournament 2単:優勝
2022年 ITF World Junior Tour COPA BOWL Barranquilla 優勝
2023年 GS Australian Open Junior 単:ベスト4 複:ベスト4

 

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