学生と企業をつなぐ新たな試みとして、渋谷新聞が主催する「idea factory」が2月20日(木)にspongeで開催されました!今回のゲストは渋谷2丁目にある渋谷365メンタルクリニックの和田悠起子先生。そもそもメンタルクリニックってどんなところなの?鬱ってなぁに?といった学生からの純粋な疑問に答えていただき、普段聞けないようなお話を、たくさんしていただきました。
メンタルクリニックについて
メンタルクリニック、心療内科、精神科、セラピーetc…心にまつわる病院はたくさんありますが、いつ、どこに行けばいいのかご存じでしょうか?
メンタルクリニックは、ストレス、不安、うつ、不眠など心の不調を診療する医療機関です。カウンセリングや薬物療法を行い、心の健康をサポートします。渋谷365メンタルクリニックでは、気軽に悩みを相談でき、早期の回復を目指しています。
和田先生は、「なぜ楽しいのか」を深く知りたくて、その楽しさの仕組みをホルモンの働きから紐ときたいという思いから、精神科医になる道を選んだそうです。感情を言語化することに興味があり、患者さんの人生を考えた医療を心がけているとおっしゃっていました。薬でその日だけ楽にしてあげることはできても、それだけで終わらせず、その人のその後の人生に重きを置いて、将来のことを見据えた治療を心がけているそうです。
「メンタルヘルスは誰にとっても身近な課題です。心の不調を感じたときにすぐに相談できる環境を整えることが大切です」と和田先生は強調しました。クリニックでは、患者さん一人ひとりに寄り添った治療を提供し、地域社会におけるメンタルケアの拠点としての役割を果たしてます。同時に、「メンタルクリニックは決して解決をしてくれる場所ではない」と説明してくださいました。メンタルクリニックに行ったからといって、不安がなくなったりすっきりするのではなく、不安に支配されないことをゴールとしているそうです。患者さんの人生で大切なのは何かを一緒に探すことで、生活に影響が出るほど不安に支配されることがなくなる場合もあります。
渋谷駅から歩ける距離にある渋谷365メンタルヘルスクリニック。患者さんが多く、初診の受付が難しい病院が多い中、当日予約で気軽に行けるのが特徴です。「心配なこと、不安なことがあれば、こんな小さいことで診察来ていいのかなと思わないで、気軽に来て欲しい」とのことでした。少し敷居が高いと感じてしまう人も多いですが、気負いせず行くことができます!
和田先生は丁寧に私たちにわかりやすく、「心」という目に見えないものに苦しめられたり左右されてしまったりする原因や流れを教えてくださいました。心はハートではなく脳の動きだそうです。
今回の講演を通じて、メンタルクリニックが提供する幅広いサポート体制も知ることができました。クリニックでは、初診から継続的なカウンセリングまで対応する総合的な治療体制や土日・祝日の診療など、多様なニーズに応えるための取り組みを行っています。
また、心のケアをもっと身近に感じてもらうための啓発活動にも力を入れており、セミナーの開催やSNSの発信などにも力を入れています。
実生活から出てきた素朴な疑問に和田先生から回答
参加者とのQ&Aセッションが実施され、実生活に即した質問が数多く寄せられました。
「ストレスが原因で眠れない場合、どうすればよいか?」
「薬に頼らない治療法はあるのか?」
「友人がメンタル不調を抱えているときのサポート方法は?」
など、日常生活に密接に関わる内容について、和田先生が丁寧に回答してくださいました。
spongeの学生メンバーから多くの質問が飛び交い、改めて自分の感情や心に向き合うきっかけの一つになりました。
鬱病と躁鬱病は、胃と心臓の病気くらい違うもの。インターネット上に出ている不確かな情報だけを信じて、同じ病気だと思ってしまう人も多い中、そういった知識を得ることができました。
「ADHDと言われたとき、どう向き合う?」 グループでのディスカッション
ディスカッションの時間には、「俺/私、ADHDだから」と言われて困った経験はありますか?という質問についてグループに分かれて話し合いました。それを理由に遅刻をされたり、お願いしても忘れていた、と言われたりなど、そういった経験がある人もいるのではないでしょうか?
中には、ADHDかどうかに関係なく、「その人の個性として認識した上で付き合うからあまり気にならない」という力強い意見もありました。学生と大人が集うspongeだからこそ、様々な意見が出ました。
先生から伝える心の健康の基本
心療内科や精神科は、「自分は強い」と思っている人ほど受診するのが遅くなってしまうと言われています。心の不調を感じた際には、悩みの大きさなどを他の人と比べずに、自分の尺度で計った方がいいんだなと感じました。そして、心の健康の基本は、「食事・7時間以上の睡眠・運動」だそうです。どうしても睡眠は優先順位が低くなりがちですが、健康のベースだからとても大切です。和田先生は「睡眠時間も、仕事の時間と同じくらい大事に考えるべき!」とおっしゃっていました。
今回開催を企画した、渋谷新聞のライターでもあるリリカからのコメントです。
「和田先生からのお話を聞き、自由に質問したり、テーマに沿ったディスカッションを行うことで、目に見えない「こころ」と向き合う貴重な時間となりました。「どの段階で相談したらいいの?」「先生はなんで心療内科を選んだんですか?」など、さまざまな疑問に答えていただき、終盤では実際の経験からのお悩みを元にディスカッション!知識をつけ、視野を広げられる有意義な会になりました!」
開催を終えて
今回の「idea factory」は、メンタルヘルスに対する理解を深める貴重な機会となりました!和田先生からの実践的なアドバイスを受け、多くの参加者が自身のメンタルケアについて考えるきっかけになったのではないでしょうか。
「ひとりで抱え込まず、気軽に相談することが第一歩」と先生がおっしゃっていたように、心のケアをもっと身近なものにするために、クリニックはこれからも最前線で活動を続けていきます。
メンタルヘルスに関するお悩みがある方は、ぜひクリニックの公式ウェブサイトをご覧いただき、ご相談ください。
ライターコメント
「idea factory」の開催をずっと楽しみにしていたので、参加している時もとてもワクワクしていました。spongeだからこそ実現できたイベントという感じがして、もっといろんな人に参加してほしいなぁ、と思います。お話の内容もすごく興味深く、自分の心の変化に気付けるのは自分しかいないなぁ、、と改めて考えさせられる機会になりました。
最後に、
「逆さまに鏡を持って、見えない!と叫び続ける 前も見てない」
渋谷365メンタルクリニック
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-1-11 郁文堂青山通りビル8階
ホームページ
和田悠起子先生
渋谷365メンタルクリニックにて適応障害、うつ病をはじめとする気分障害、発達障害など様々な問題に対し、親身になって診療を行っております。
また、産業医として中小企業から中堅大手企業まで様々な企業で業務に従事。
2022年4月に株式会社オービックビジネスコンサルタントが開設する「OBC社内診療所」の院長に就任。
InstagramやYouTubeなどで健康情報や労務についての発信も行っている。
Instagram:instagram.com/doctor_yukiko
YouTube:www.youtube.com/@doctor_yukiko