三重県桑名市で、放置竹林の整備などを通して、環境問題などに取り組む「桑名竹取物語事業化協議会」。
NTTドコモが運営するコミュニティサイト「カボニュー」とのコラボで、2023年3月に渋谷新聞メンバーと意見交換を行ったことがきっかけで、新しいプロジェクトがスタートしました。
「私と地球にいいこと」をいっしょに広める仲間「カボニューアンバサダー」を、三重県・桑名と渋谷の学生から募集。
お互いの地域の学生がそれぞれに行き来し、竹のことを「知って」、竹の活動を「体験」して、竹を使った製品を「開発」しちゃおうというもの。
2023年11月まで5ヶ月かけて活動していきます。
キックオフにはたくさんの学生が参加
「カボニューアンバサダー」には、桑名と渋谷からそれぞれ7名、合計14名の学生が集まりました。
キックオフとなった第1回は6月25日(日)に開催され、筆者も渋谷を飛び出し、会場となった桑名市役所に駆けつけました。
渋谷のメンバーと桑名の一部のメンバーはオンラインでの参加となりましたが、それぞれの地域の参加者から自己紹介となぜこのプロジェクトに参加したのか話してもらいました。
参加者の中からは、
「桑名の放置竹林の問題を若い世代の人に知ってもらいたい」
「経験したことのない商品開発に携わってみたい」
「協議会に参加したのがきっかけで竹に興味を持った」
「桑名が大好きなので、桑名の問題についてみんなで考えたい」
「普段渋谷の人と接しているので、このプロジェクトで桑名の人と交流できるのが楽しみ」
「渋谷新聞で桑名の人の話を聞いて興味を持ちました。桑名に行ってみたいです」
「サステナブルコスメアワードでインターンをしていたり、エシカル商品を扱う商品でスタッフをしているので商品開発に興味がある」
などいろんなお話が聞けました。
桑名市について
みなさん、三重県桑名市についてご存知ですか?
場所は三重県の北東部で、名古屋駅からも電車で25分程度にある街です。渋谷駅からも2時間ちょっとで行けちゃいますね。意外と近いです。
余談ですが、三重県の県庁所在地の津市はハチ公の飼い主である上野英三郎博士の出身地ということもあって、津市にもハチ公像があるらしいです。今度は少し足を伸ばしてハチ公像を見てこようと思います。
さて、桑名市に話を戻しますが、主要産業は鋳物や自動車部品など。特産品は桑名市のマークにもなっているハマグリ。
なんと、街中にはハマグリをデザインしたマンホールがありました。
もちろん名産はハマグリだけでなく、タケノコも有名で「桑名特産タケノコ」は高級料亭でも取引されているほど。
約100年前に京都から竹を移植し、米農家の副業としてタケノコの生産が始まったそうです。
しかし農家の高齢化や、中国産タケノコの輸入などで竹が伐採されなくなってしまって、桑名市にある660haの竹林の9割近くが放置されている状態です。
このような状況を踏まえて、民間企業や大学などが立ち上がり桑名竹取物語事業化協議会を作って、竹の整備や竹を使った製品などを作ってきました。
桑名の竹でつくったボールペンには今回のカボニューアンバサダーの一人が中学生の時に関わってできた製品だそうです。
竹を使ってコスメをつくろう
さて、竹を使った商品開発といっても様々な活用方法があります。
食用だけでなく、竹材としてザルやカゴなどの道具や建材として使用する方法、竹炭や竹酢液にして土壌改良に使用するなどが昔から行われてきています。
それに加えて、紙の原料や燃料として使用する方法など様々な活用方法が研究されています。
このプロジェクトではそうした竹の素材をもっと身近に感じてもらうために、日常的に使用するコスメを作ってみようということになりました。
そして講師として、鹿児島県の南大隅町でコスメ開発を行っているボタニカルファクトリーの黒木靖之さん参加してもらうことになりました。
黒木さんは地域で契約栽培された農作物や、規格外で廃棄されてしまう農作物などを使ったコスメを開発しています。
工場は廃校になった小学校と中学校を利用しています。
この日は、コスメの作り方や、販売するまでの商品化のプロセスなどをじっくり話してもらいました。
学生にとっては初めて聞くような話だったかと思いますがとてもタメになる話をたくさんしていただきました。
参加者の皆さんで振り返り
桑名市の現状と、コスメ開発の話を受けて、参加者の皆さんから気づきの共有をしました。
話し合ったのは以下の二点。
・誰をターゲットに開発したいですか?
・どんな商品を作ってみたいですか?
普段、コスメを使っている人もそうでない人もいる中、たくさんのアイデアが共有されました。
今回感じたことをもとに次回まで各自で考えてきてもらうことになります。
次回の開催は7月22日(予定)。実際に桑名に行って、桑名の学生と一緒に竹林整備や、コスメ開発のためのディスカッションを行う予定です。
本プロジェクトの様子はこれからも報告していく予定です。