渋谷にはスクランブル交差点、センター街、道玄坂、宮益坂などを代表とした若者が密集するエリアがたくさんあります。
これらのエリアは渋谷の魅力であり、商売を始めるテナントさんにとって重要なエリアであることは間違いありません。
しかし一方で渋谷には人はそこまで多くはいないが上質な大人ばかり集まるエリアもあることをご存知でしょうか?
センター街を抜け東急本店を超えたあたりから渋谷の雰囲気が一気に変わります。
住所は宇田川町、松濤、神山町、富ヶ谷と続き、東京でも有数の高級住宅エリアとなります。
建築費用10億円以上と語られる要塞のような一軒家が立ち並びます。 また、住居だけではなくオシャレなカフェ、拘りの飲食店、魅力的な物販店などが適度な間隔で存在します。
このあたりのことを総称して最近では”奥渋(オクシブ)”と呼んでいます。
先日取材させていただいた、魚屋「魚力」さんのように、奥渋エリアで長年営業されている店舗と、オシャレなカフェなどが混在しているのもこの街の魅力です。
そもそも奥渋という言葉自体はいつから使われるようになったのでしょうか?
2000年代初頭はこの辺りを拠点とする人達の間では”裏渋谷”と呼ばれていたそうです。
しかしこの呼び方は裏原を真似たような感じに聞こえるためオリジナリティを求めた一部のクリエーターさん達の間で2010年前後より”奥渋”と呼ばれるようになったようです。
お洒落な本屋として有名なSHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSさんや小さな映画館として有名なアップリンクさん(2021年5月20日閉館)などが中心となってその名を広げたようです。
奥渋という名前が広がると共にカフェ、飲食店、アパレルショップが徐々に増えていったようです。 最近では奥渋エリアを特集した雑誌を本屋で見かけることも多いです。
上述のように奥渋エリアは渋谷の中心地に比べると人通りは遥かに少ないですが、高級住宅地であるが故に富裕層の割合は渋谷の駅周りに比べて圧倒的に高いです。
ハイエンドなお客様をターゲットとした飲食店、美容室、エステサロン等にとっては最適なエリアなのではないでしょうか?
また昨今住みたい街として圧倒的な人気を誇る代々木八幡、代々木公園、代々木上原よりもアクセスを図り易い場所となっており、この辺りの住人が奥渋のメイン通りでもあるオーチャードロード(神山商店会)を通勤経路として使っている人も多いようです。
ここまでご紹介しました奥渋エリアですが名前を聞いたことはあるけれど実際に踏み入れたことがないという方も多いのではないでしょうか?
晴れた昼下がりにでも是非この辺りを散歩してみてください。 素敵なカフェでコーヒーを飲むのもよいでしょう。
所々にある豪邸を眺めるのもまた面白いです。 最先端の物販店で興味深いものを発見できるかもしれません。