渋谷で生まれる共創のかたち vol.08「人が育ち、組織も育つ。渋谷でつくる『成長の連鎖』」

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この一年で、社員がゼロから10人になりました。最年長が30歳で、中心は20代。うちは早い段階から責任ある仕事を任せて、失敗すらも成長のための投資だと考えています。僕自身も渋谷の現場に立ち続けながら、若手と一緒に挑戦を重ねてきました。これからも、人と組織が同時に成長していく未来をつくっていきたいと思っています。

人材の力が、次の一歩をつくる

ゼロから始め、超最低限の人数で事業を広げてきたからこそ、どこに、どんな人材が必要かが明確になってきたんですよね。

たとえば不動産にはこの2人、インバウンドサービスのshibuyabaiにはもう1人…といった具合に、今はそのピースを埋めていく時期です。稼げる事業の土台ができた今、「一番大事なのは人」だと、あらためて実感しています。
そんな中で、デザイナーや図面を描けるメンバーなど、専門スキルを持った人も加わってきました。
理由のひとつは、内製化へのこだわりです。事業が広がれば、ロゴ、チラシ、ショップカード…何をやるにもデザインが必要になる。外注だとやり取りに時間がかかるけれど、社内にいればその場で議論して作れるので、そこに大きな価値を感じています。図面も同じです。民泊の設計はもちろん、屋外広告やイベントのレイアウトまで、動線や配置を考えるには図面が欠かせません。社内で完結できることは、スピードやクオリティの面で大きな強みになります。

まちづくりは10年、20年と続くから20代を主力にしている

うちの組織は、最年長で30歳。まちづくりは10年、20年と続くものだから、未来を担う世代が真ん中にいるべきだと考えています。
高校生や大学生も継続的に関わり、20代前半が頼られる立場になる。普通の組織ではまだ下っ端の年齢が、ここでは中心で動いているのです。
25歳で責任者になることも珍しくありません。可能性のある人には、できるだけ早くバトンを渡したほうがいいし、失敗してもいい。すべてが成長のための投資です。そして、その経験を次の世代に渡す“連鎖”が生まれていきます。

僕が大切にしているのは、チャンスを渡すこと。

大学生から「NHKに行きたい」と相談を受ければ、知り合いを紹介する。すると、その子がまた後輩に同じようにチャンスを渡す。この連鎖が文化になれば、いい人が集まり、いい人材が育っていく。そう信じています。

そこまでなぜするの?とたまに聞かれることがあるんですが、僕自身10年前まで、給料が安定せずもらえない時期が長くありました。飛び込み営業を続け、人脈を作り、どうにか食いつなぐ毎日。その経験があったからこそ、次の世代には人間関係やネットワーク、経験といった「プラスの環境」を提供したい。25歳でも責任者を任せてみると、その下にいる学生たちを育てくれる。学生のうちからビジネスを実践していけば、その後の展開が変わってくる、将来の選択肢を増やすことができるんじゃないかなと考えています。

現場主義と経営は切り離せない

採用は履歴書ではなく紹介制。直感で「この人だ」と思えばスカウトします。
それでも今は営業にも全力ですが、街のパトロールや清掃活動も欠かしません。現場での会話がそのままビジネスの種になるし、企画提案も現場から生まれる。だから僕にとって、現場と経営は切り離せないものです。
先日もshibuyabaiなどでトラブルが起きた際には、出店者全員に直接話しにいき対応をしました。そうすると、「代表が一人ずつ話してくれるなんて珍しい」と喜んでもらえたんです。このような経験からも、ネットが進化しても、現場の力はなくならない。顔を合わせるからこそ生まれる信頼があるんだと感じており、僕はそれを何より大切にしています。

僕は20年以上渋谷に関わり、渋谷という狭い地域に専門特化しています。だからこそできることは多い。

最初は、渋谷に興味がなくても、関われば好きになる人がほとんどです。
外から見ると「汚くて若者だけの街」という印象かもしれない。でも実際は毎日清掃している人がいて、サラリーマンもいて、大人の街でもある。さらに町内会には温かいおじいちゃんおばあちゃんもいる。このギャップに魅了される人は多いです。
渋谷で何かやりたい人には、必ず一度相談してほしい。僕は今まで渋谷のコンシェルジュをキャッチコピーにしていたのですが、今は相談だけでなく、一緒に動きます。渋谷で何かやるなら商店街やうちのスタッフなどにも協力してもらい、“隊長”や“チームリーダー”のような存在で推進していきたいと思っています。まさに、僕は経営者というより現場主義ですよね。
もし、僕が手が回らない部分は仲間が支えてくれるし、自分の弱みを補ってくれる存在がいるのがありがたい。自分を「ルフィ」に例えるなら、仲間がいるから前に進めるんだと思います。仕事は人であり、仲間だと本当に実感する毎日です。

僕たちの強みは、地域と企業、行政をつなぎ、ビジネスとしても成立させることができること。渋谷センター商店街振興組合に入っているからこそできる動きでもあります。渋谷の未来を面白くするために、これからも人と組織が一緒に成長できる土壌を耕し続けたいと思います。

渋谷に興味を持っている人、持っていなくても地域ビジネス、活性化に興味ある人はぜひ、気軽にメッセージください。

鈴木大輔のこと、プロジェクトについてもう少し知りたい方はこちらをご覧ください。▶︎▶︎▶︎https://daisuke-shibuya.com/about/

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