CCBT夏季特別ワークショップ「きこえるデザイン、みえるリズム」

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▲本プログラムを担当した原泉さん

2025年8月16、17日、渋谷・CCBT(シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT])で、9〜12歳、13〜18歳それぞれを対象とした夏季特別ワークショップ「きこえるデザイン、みえるリズム」が開催されました。電子音楽研究会から招かれた講師、デザイナーの角田創さんとメディアアーティストの芹澤碧さんの進行のもと、参加者たちは「音をデザインし、リズムを可視化する」体験を通して、音やデザインに溢れる渋谷の街そのものを新たに見つめ直す一日を過ごしました。

多様な参加者が生み出す「共創」の場

この日の会場には、グラフィックデザインや音楽文化に関心を持つ方から、保護者に勧められて初めて参加した子どもまで、多くの参加者が集まりました。

 「もっと専門的に学びたい」人もいれば、「一度体験してみたかった」人も。経験値も動機も異なる彼らが同じ空間で作業を進めることで、互いに刺激を与え合い、予期せぬアイデアが生まれる瞬間が多く見られました。CCBTが掲げる「発見(インスパイア)」の理念は、この多様な共創空間の中で確かに息づいていたように感じられます。

若き講師と、多彩なスタッフの支え

ワークショップの核を担ったのは、2001年生まれのデザイナーでありエンジニアの角田創さん。音楽・映像・空間設計を横断的に探究する彼の複合的な視点は、参加者に「音と映像の融合」というテーマを直感的に理解させる力を持っていました。
また、CCBTの運営を支えるスタッフも、新卒の若手からデザイン・メディア分野の研究者まで幅広いバックグラウンドを持ち、それぞれの専門性を活かしながら参加者をサポート。枠にとらわれない多層的なチーム体制が、イベント全体の空気をより豊かにしていました。

本格的なツールで「創造の喜び」を体験

今回使用されたソフトウェア「Cavalry」は、映像制作の現場でプロも使用する本格的なツール。参加者たちは、水の波紋のように揺れる動きや、星屑が舞うような演出を取り入れ、音楽の波形に反応して図形が生き生きと動く様子を体験しました。

「自分の耳で聞いたリズムが、画面の中で形になる」そんな体験は、参加者の表情に驚きと喜びを浮かべさせます。本格的な制作ツールに触れることで、自分も表現者になれるという実感を与えたことは大きな意義がありました。

渋谷を「アートのキャンバス」として再定義する

ワークショップのもうひとつの魅力は、その舞台が渋谷であること。広告やディスプレイが街を覆う現代的な風景は、参加者が生み出した作品を投影する「キャンバス」としても機能します。
音と映像の融合を体験した子どもたちは、消費や広告の象徴として見慣れた都市空間を、アートを媒介とした新しい視点で捉え直したのではないでしょうか。単なるワークショップにとどまらず、渋谷という街の意味そのものを「クリエイティブの街」として再定義する試みでもあったのです。

都市の可能性を考える

「きこえるデザイン、みえるリズム」は、音と映像を媒介にして参加者一人ひとりの創造性を引き出し、多様な人々の交流から新たな視点を生み出しました。渋谷という都市の可能性を広げるこのような実践は、次世代の若者たちに「創造する喜び」と「街を再発見する眼差し」を残してくれたはずです。

イベント詳細はこちら: CCBTイベントページ

CCBT(シビック・クリエイティブ・ベース東京)住所:東京都渋谷区宇田川町3-1渋谷東武ホテル 地下2階(B2F)
営業時間:火〜日曜日:13:00〜19:00
定休日:月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日が休館)
年末年始や保守期間など、その他の臨時休館がある場合もあります
web:シビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]公式サイト

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