先祖代々道玄坂!道玄坂商店街振興組合 理事 大西陽介さん

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渋谷区に生まれ、幼い頃から道玄坂にゆかりを持つ大西陽介さん。道玄坂商店街振興組合の理事と道玄坂青年会の副会長を務めています。曽祖母の代から4代続く渋谷での大西さんの家系やご自身の渋谷での活動など、たくさんのお話を渋谷のラジオでの公開インタビューで伺いました。

▲大西陽介さん

大西さんと道玄坂の関わり

「曽祖母の代から道玄坂で商売をやっていた関係で地元の活動をしています。大学を卒業してから10年間広告の仕事をした後に、地元に戻ってきました。私が地元で担当した大きなイベントでいうと2017年から始まった渋谷盆踊りなど。去年は、渋谷音楽祭への参加や、渋谷芸術祭の中で渋谷アーカイブ写真展という60~90年代の渋谷の街並みの写真展を開催しました」

「大西家は大正時代の終わり頃から道玄坂付近にいました。。父が子どもの頃の自宅は今のハンズがあるオルガン坂のあたり。うちの祖母は生きているハチ公を見ていたようです」

▲渋谷アーカイブ写真展の様子(撮影:Hiroshi Nakamura)

ーー子ども時代から今までどのように過ごしてきましたか?

「小学校は地元の猿楽小学校です。中学の頃から音楽が好きになって、学校が終わった後は渋谷のレコードショップによく通っていました。大学卒業後、広告代理店に就職して、web関係やテレビのメディア関係の仕事をしていました。広告代理店時代にイベント関係の仕事の経験は多くはなかったのですが、広告代理店にいたという理由でだけでイベントを仕切れるだろうという事で担当をする事になりました(笑)」

ーーDJをやられてると聞きました

「大学に入ってクラブに通うようになり、大学2年生の頃に良く通っていたイベントの関係者からDJを誘われて表参道・青山のクラブに始まり、渋谷でもやるようになり、多い時には月3回以上の頻度でDJをやらせてもらいました。渋谷においてのそういった場所の大切さみたいなものは身を持って感じ、昼間の世界での社会的立場の垣根を超えた夜のコミュニティが渋谷の文化を作ってきたんだなと体感していました。現在もDJは不定期でやっています。

渋谷は60年代にジャズ喫茶が増えて、70年代に入ると渋谷系の源流とも言える日本のロック文化が生まれ、、90年代になると渋谷系などの若者文化が花開いたりと、脈々と音楽の文化が受け継がれているなと思います」

道玄坂商店街振興組合でのお仕事とは

ーー理事ってどんなことをするのですか?

「道玄坂商店街振興組合の場合は理事と呼ばれる方が40人くらいいまして、メンバーとしては大きな企業さんとかもいるのですが道玄坂で代々商売をやっていらっしゃる方が多いですね。道玄坂は主に、夜間のゴミの清掃活動やパトロール活動などの日常的な活動の他に、何十年も続けているハチ公広場でのチャリティオークションや、最近はじめた盆踊りなどのイベント、を行ったりしています最近は開催できていないのですが、道玄坂を歩行者天国にして成人の日に餅つき大会なども開催しております」

ーー盆踊りの運営は大変だと伺いました

「盆踊りは2017年からスタートしました。それまで年に数回、道玄坂はイベントで歩行者天国になることがあったのですが、全て昼間の交通規制でした。一方、盆踊りとなると夕方から夜にかけて車を止めなくてはならないのですが、今まで道玄坂でイベントをやるために夜に車を止めたことはなかったんですよね。

以前からごみのポイ捨てやハロウィーンでの混乱など、来街者のマナーが悪くなってしまうのは渋谷は地元の人の顔が見えず、誰のものでもない感じがするからなのではと感じておりました。そこで渋谷の地元の人と来街者が交流できる温かみのあるイベントを作りたい、またそれを伝統的な盆踊りという形で実現したいという思いを警察にご理解頂いて車を止める許可をもらいました。まずはやってみることが大事だなと思って、これからもブラッシュアップしていきたい行事です」

ーー今後道玄坂をどうしていきたいですか?

「道玄坂はエンターテイメントの街だなと思っています。これからは、もっとエンターテイメントが街中にあふれる街にしていきたいです。今後、歩行空間を拡げようという試みもあるので、路上で音楽が楽しめる等、エンターテイメントが公共空間に滲み出てるような街にしていきたいなという思いはありますね。あと地域の人たちも知らなかった渋谷の一面を知ってもらう事も大事だなと思っています。例えばナイトクラブの人たちも清掃活動を結構していて、そういう夜や早朝に行われていることは昼間渋谷にいる人たちには伝わっていないんですよね。リアルで昼と夜の人を繋げてみることでお互いに理解が深まりました。外からの視点もフラットに取り入れられたらいいなと思っています」

何かしら面白い渋谷の街

▲渋谷アーカイブ写真展にて(撮影:Hiroshi Nakamura)

ーー渋谷の好きなところは何ですか?

「何かしら渋谷に関わりたいと思ってる人たちが集まってくるので、あらゆる分野における最先端の人たちの活躍が見られるのは面白いです。開発が進んでいて、いわゆる昔ながらの渋谷が失われているような気がすると外部の人はおっしゃるのですが、実は渋谷ってしょっちゅう建物が建て替わっていて、既に半世紀前とは大違いなんですよね。多分この先もそうだと思います。ある意味ノスタルジーに浸らないのが渋谷のいいところだと思います。地元の人もいい意味で時代に流されていて、対応力というかしなやかさを持っているような気がします。今は若者の街と呼ばれていますが半世紀前は全然そんなことなかったので、これからもどうなるか分からない面白さがあります」

ーー街並みの面白さもありますよね

「裏路地に入った時のちょっとしたスリル感も渋谷には求められているのかなと思います。そういった部分は引き続き残って欲しいし、綺麗ばかりな渋谷だけではないということも地元の人は思っています渋谷って隣町も魅力的な繁華街だと思っていて、一駅隣とか歩いて10〜15分のエリアにも面白い街がいくつもある繁華街って日本中探しても他にないと思っています。これまでの渋谷の街としての役割が隣町に分散されてきて、渋谷はそのハブになっているのかなと感じています。渋谷を中心に360°どこに向かっても面白い街ばかりですよね」

ーー最後にひとことお願いします

「歩道を広げ車道を狭める大山街道プロジェクトの社会実験も始まっています(3/1に終了)。渋谷は地元の人でも驚くほど日々変化に富んでいるのでマメに遊びにきてください!」

大西陽介さんゲスト回 渋谷のラジオはこちらから聴けます:https://note.com/shiburadi/m/m8a6eab04cdb7

▲左から、大西陽介さん、渋谷新聞ライター 森陽菜、「渋谷つながる部」パーソナリティ 鈴木大輔

◾️大西陽介
渋谷区に生まれ育つ。道玄坂商店街振興組合の理事や道玄坂青年会の副会長、道玄坂町会役員を務め、道玄坂の「中の人」を自任。 大学卒業後、広告代理店に10年在職し、マス媒体やデジタルマーケティングなどの業務に従事。 2017年より始まった「渋谷盆踊り」の企画サブリーダーをはじめ、渋谷の各イベントの地域担当やまちづくり施策の行政協議の地域メンバーを務める。学生時代よりDJとして活動した経験を生かし、地域へのナイトタイムエコノミーの理解促進と活性化にも取り組んでいる。

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