一番で当選するとは一番多くの人の期待に答えられること 元アイドル渋谷区議員橋本ゆきさん

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黄色がトレードカラー!いつも華やかでパワフルな渋谷区議会議員の橋本ゆきさんを、渋谷新聞3周年パーティーにて公開取材をさせていただきました。

筆者がかつてから取材をしたかった橋本ゆきさん。渋谷区議会議員になるまでに、どんな人生を送ってきたのか、どんな思いで渋谷区と向き合っているのか、インタビューをしました!

アイドルから政治家に

ーー簡単にゆきさんの経歴を教えてください。

仮面を被って激しいパフォーマンスをする「仮面女子」というグループで、9年間アイドル活動をしました!そして、26歳で政界に入り渋谷区の育成に関わっています。それと同時に、1年前にアイドルのセカンドキャリアを支援する会社「ツギステ」を立ち上げました。私生活では、今年6月には娘を出産しました。

育児と会社経営と政治家の三足のわらじで生きています!

誰もが挑戦できる社会をつくる

ーーなぜ政治家を目指すようになったのですか? 

政治家を目指すまでの転機が3つあります。その3つの出来事で、コップの水が溜まっていき、溢れた時に「あ、政治家になろう」と思いました。

1つ目の出来事が、高校生の頃です。大親友から自身がセクシャルマイノリティだということをカミングアウトされました。彼から「当たり前の幸せを諦めないといけない」と聞いたとき、もしかしたらこの社会は、私にとっての大事な大事な友達が死のうと思うぐらいひどい世界なのかなと感じるようになりました。これが、社会に対して、「変わってほしい」と思うようになったきっかけです。

2つ目には、「東大アイドル」ということで、討論番組や報道番組に出て、コメントをする仕事の時のこと。政治の話に責任を持って自分の考えを言えるようになりたいと思いました。それと同時に、若い世代が政治に参加するべきだし、政治に参加したいと思えるようにアイドルとして活動しようとその時は考えていました。

3つ目の出来事は、同じグループで活動してきたメンバーが、強風で倒れてきた看板の下敷きになり、下半身不随になったことです。彼女は今でも現役で、車いすアイドルとして活動していますが、アイドルをやめる選択でなく、車いすに乗りながらもアイドルを続ける選択をした姿を、隣で見ました。誰でも、明日事故に遭う可能性はあるし、出産をした子どもが障がいを持っているかもしれない、性的マイノリティかもしれない。そうなった時、「残念だったね」ではなくて、「でも大丈夫だよ、やりたいこと何でもできるよ」といえる社会を作る側になりたいし、若い人はもっと政治に参加しないといけない、じゃあ自分に出来ることって何。と思った時、25歳で被選挙権を持っているので、私がやろうとアイドルを卒業して政治家になることを決めました。

圧倒的NO.1の支持率

ーー2023年に行われた渋谷区議会議員選挙では、圧倒的1位の得票で再選されました。どうしてこれだけたくさんの票を獲得できたのでしょうか?

はい!3190票の票をいただき、トップ当選させていただきました。

一番で当選することは、一番たくさんの人の期待を背負えることだと思います。

その期待を背負って政策を提案するからこそ、実現しやすいです。私は、将来的には渋谷区長になりたいという目標をもって政界に来ています。その目標を考えたときにも、渋谷区政の取り組みや、私自身のやりたいことを多くの人に知ってもらい、期待をしてもらえないと、区長を目指すステージにも上がれないような気がします。私は、1期目の4年間で全力で政策提案や発信を行ってきました。それを評価してもらうのが区議会議員選挙だと思います。だからこそ、トップで当選したいと考えていました。

ーーゆきさんはたくさんの政策案を実現させてきたイメージがあります。

 「こうなったらいいな」と私が夢見ていたこと、構想していたことが1期目の4年間で100以上あり、そのうちの4割くらいが実現しました。もちろん、それは私一人の力ではなく、私がやりたいことにほかの議員の方も賛同してくれたり。なにより、議員は今ある区民のニーズや社会課題を伝えるけど、実際手を動かして、事業としてどのように設計するのか、事業が始まったあとにどうオペレーションしていくのか。そういうことは、全部行政の職員が行ってくれることなので、私一人が頑張って実現したわけではないのです。政治でちょっとずつ前進していく。変わっていく。それってちょっと希望を持てませんか?「こういうことしたいなぁ」が、1年後や2年後に実現するかもしれないということを伝えたい、希望を持ってほしくて発信を続けています。

次のステージ、ツギステ

ーーゆきさんが新しく始めた事業、「ツギステ」とはどのようなものなのですか?

ツギステとは、「次のステージ」を略して名付けました。アイドルのセカンドキャリアを支援する会社になっています。

ーー公務の傍ら、新事業を始めた経緯をお教えください

まず、誰もが挑戦できる社会をつくる手段として政治家になりました。ただ、私の周りには、政治や行政のサービスでは救えないような課題がありました。一緒に9年間頑張ってきた戦友のアイドルたちが、みんなことごとくキャリアに困っていたのです。誰よりも輝いて、笑顔を絶やさずにストイックに頑張ってきたメンバーたちが、これから働くところがない、どうやって稼いだら良いかわからない。挑戦できないという、選択肢がない状況になっているのを何とかしたいと思いました。10代、20代という今しかできない挑戦を頑張ってきたアイドルたちが、その時に得たユニークなスキルや経験。それが、会社でも生きるということが一般常識になってほしいという思いで始めたキャリア支援の会社です。アイドルの子たちへのお仕事紹介だけでなく、アイドル人材って、すごい力があるということを企業に売り込み、その良さを分かってもらうこと。そして、未来の選択肢を身近なところで増やしていくことが今行っている活動です。

政策を考える上で大事な4要素

ーー最後に、ゆきさんの大事にしていることを教えてください!

私が大事にしていること。グリーン、テクノロジー、公平(equity)、カルチャー。

GTECと覚えて帰ってください!まず、持続可能な社会を創っていくために、環境について考えなくてはならない。そして、テクノロジーを活用し、行政のサービスに落とし込むことで、可能性がすごく広がります。3つめは、公平な社会づくり。最後は、絶対に蔑ろにできないカルチャーです。この街のカルチャーを育ててきた担い手を支援すること。この4つを使って、渋谷が日本の社会を変えていくようなトップを走る、パワフルな街にしていきます。今ある社会課題を、国よりも先に渋谷区が先だって始めていきたいです。

編集後記

元アイドルの橋本ゆきさん。出会った際の華やかな笑顔やはっきりとした喋り方、色々な場面で、「やっぱりアイドルだ!」と感じます。そして、笑顔を絶やさず、学生である筆者にもいつも同じ視点で向き合ってくださいます。今回の取材を通し、ゆきさんが区民から支持される理由を再確認しました!

◾️橋本ゆき
渋谷区議会議員 株式会社ツギステ代表取締役社長
東大生アイドルとして、アイドルグループ「仮面女子」に所属しインディーズ女性アーティスト初のオリコン1位を獲得。アイドル引退後は「誰もが挑戦できる社会」を作るため政界へ進出。
渋谷区議会最年少議員として、「スタートアップ支援/コミュニティ活性化/行政DX/女性の健康支援/エンタメ支援」に取り組む。23年には「アイドルのキャリア課題」の解決に向け株式会社ツギステを設立。

橋本ゆき公式サイト https://hashimotoyuki.com/
株式会社ツギステ公式サイト https://tsugisute.com/

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