私たち渋谷新聞が活動の拠点としているspongeと同じビルに入居する株式会社Vook(ヴック)(以下:Vook)。映像クリエイターのための国内最大級のプラットフォームを運営しています。今回はVookの代表取締役 岡本俊太郎さんに現在のお仕事に至るまでのプロセスや渋谷の魅力などお話を伺いました!
大学時代のCMコンテストがVookの原点
ーーVookはどんな会社ですか?
「映像クリエイターの「学び・仕事・つながりをサポートする」事業を展開しています。月間30万人以上のユーザーが来訪する映像制作のノウハウを共有するメディアを中心に、メディアから派生した事業として、映像・アニメーションVRなど映像デジタルクリエイティブのスクール事業や映像活用支援事業、映像領域に特化したキャリア支援サービスなどを展開してります」
「『映像クリエイターを無敵に。』をビジョンのもとひとりひとりの映像制作者が制作に集中できる環境づくりを目指しています」
ーーVookを立ち上げたきっかけは?
「2012年にVookを立ち上げたのですが、大学生の頃からずっと起業がしたくて、大学1年生のときに学生のためのCMコンテストを立ち上げました。きっかけは、イギリスの19歳の学生が勝手に作ったiPod touchのCM映像をYouTubeにアップしてたら、Appleマーケティング担当者が見つけて、それが本当にAppleのCMになったという話です。当時YouTubeも出てきた時代だったので同じモデルでCM制作プロジェクトを始めました」
「5年間大学にいたのですが、5年間CMコンテストはやりましたね。毎年200組くらい出る大きな大会になり、企業のCMコンテストなども行いました。my Japan という日本の魅力のCMコンテストをやりました。実は渋谷との関わりはここからあって、スポンサーに東急さんが入ってくださって、コンテスト受賞者は渋谷の交差点ビジョンに流れました。学生時代の経験がそのまま法人化し、今に至るという形です」
ーー当時から映像に興味があったのですか?
「高校時代はずっとサッカーをやっていて、映像制作者になりたいという気持ちはなかったのですがやっぱりwebが動画化するなぁとか、創る環境も変わってきているし映像ってまだまだポテンシャルがあるなと思っていましたので何かしら映像に関わりたいなという思いはありました。CMコンテストで有名なクリエイターさんたちが審査員として参加してくださった際にも映像の可能性ってまだまだあるという話をされていたので映像でやっていくことに決めました」
どんな未来を見たいのか?
ーーご自身で映像は作らなかったのですか?
「自分が映像を作ることはできないというか、簡単なものはできるけど、高度なものになっていくと、クリエイターの領域になってくるので。どちらかというプロデュースとか運営、エコシステム作りなどが得意です」
「起業もおもしろいことをやりたいが前提にあったからなんですよね。起業のダイナミズムは高校生のときに衝撃を覚えました。MIXIがあんなに大きくなったりとか、Facebookが小さいコミュニティからすごい勢いで世界を変えていったりとか。世界を変えるとか、個人的にやりたいって思ってたところがあったので、ありたい姿を学生時代に見つけたのは結構大きかったと思います。身近にそういう起業家がいたのもありがたかったですね」
ーー起業において苦労したことありますか?
「大学からそのまま起業し、他の会社も経験がないので苦労だらけですよ(笑)人事労務、採用とか組織を創ることも知らないし営業もどうやるんだろうって。苦労した部分はステージが上がってくるタイミングですかね。本当に少人数でやってるときはサークルの延長線上だったんで、良かったです。やはり人が増えてきたり、付き合う法人が大きい会社になってくるとやっぱそこで変わってくるので、当たり前を知らないことはすごく苦労したところです」
「企業へ就職して起業する選択肢もあったとは思うのですが自分の場合は結構勢い的なものもありました。最初なんて給料も少くできるので、スモールスタートを切れたところもありますし。当時は家族もできてないのでリスクも取れたし、良かったんじゃないかなと思っています」
ーー映像の可能性を通して実現したいことはありますか?
「映像クリエイターを無敵に。というビジョンを掲げてるんですけど、社会を映像の力でより良くしていきたいなというふうに思ってます。映像の力って何かっていうと、例えば文字に比べると5000倍ぐらいコミュニケーション量が違ったり、伝わり方が結構変わってきたりするので、人々のコミュニケーションの質を上げるみたいなところもあります。今後例えばいろいろな企業がマニュアルや採用など全て動画になっていくという可能性もありますし、カルチャーに起因するというのもすごくありまして、コンテンツ産業っていうとやはり一番ど真ん中にあるのが映像なんですよね」
「Netflixみたいな映画ものだったりチームラボみたいな空間演出だったりも中身は映像なので、カルチャーの面で気にするところはあります。カルチャーの面と労働生産性とかそういうところで映像はものすごくポテンシャルがあると思いますし、日本をアジアのハリウッドみたいなものにしていくことで、良いコンテンツが生まれ、いい循環が生まれて、とそういったことをやりたいなと思ってます」
ーーお休みの日も映像関係を?
「映像業界に行くとヘビーな映画好きがすごくたくさんいるので、そういう方々に比べると普通の人って感じなんですよ。休みの日は子どもと遊ぶことが多いですし、できるだけそういう時間を増やそうと思っています。ただ、できるだけ映画観たりとか、新しい映像に触れたりすることは意識的にするようにはしてます」
Vookと渋谷の関係性
ーーVookはずっと渋谷ですか?
「Vookを始めたころは青学近くの渋谷オフィスでした。その後、代々木に行きました。クリエイターが集まってくる環境を考えたときに、やはり渋谷はクリエイターなど新しいものが生まれる街だと思うし、スタートアップの街だし、NHKなどスタジオもたくさんありますし、やはり渋谷にオフィスを置きたいなと思いました。代々木からヒカリエの方に移動して、その後今のオフィスに移転しました」
ーー渋谷に対してどう感じていますか?
「渋谷は外国人もたくさん集まってきてるし、どんどんクリエイティブな環境になってきているとは思っているのでカルチャーがより生まれるような街になるかなと思います。渋谷の中でクリエイターや企業が一緒に仕事をすることはあるべき姿だなと思ってはいるので。
「世界一のクリエイティブな街になって欲しいと思っています。世界から見ても渋谷は有名な街ですしね。僕たちも何かやっていきたいです。一緒に何かできることがあればやりたいしポテンシャルはあると思っています」
▪️岡本俊太郎さん プロフィール
1988年生まれ。上智大学経済学部卒業。大学在学中、学生団体「adoir」を立ち上げ、映像コンテストを主宰。2012年、株式会社アドワール(現株式会社Vook)創業。2016年、動画・映像制作Tipsサイト「Vook」(https://vook.vc)を立ち上げる。現在は、日本最大級となった映像クリエイター向けメディアプラットフォーム『Vook』を核に、ビジョンである「映像クリエイターを無敵に。」を叶えるべく映像クリエイターの学び・仕事・つながりを支援するサービスを展開するとともに、企業の映像活用も支援。
▪️Vook 会社概要
事業内容:イベント事業、プラットフォーム事業、教育事業、キャリア事業
HP:https://vook.co.jp/
オフィス住所:東京都渋谷区宇田川町14-13 宇田川町ビルディング4F
事業部住所:東京都渋谷区宇田川町14-13 宇田川町ビルディング2F