2021年に開幕した日本発のプロダンスリーグ「D.LEAGUE」。
2022年6月に終了した第一生命 D.LEAGUE 21-22 SEASONでは11チームが全12ラウンドのレギュラーシーズンを通してシーズンチャンピオンを目指し、競い合いました。渋谷に本社を構える株式会社サイバーエージェントがオーナーを務めるCyberAgent Legitも参加チームの一つ。所属ダンサーのenaさん(写真右)、Kotoriさん(写真左)にチームの魅力、渋谷の街とダンス、将来のビジョンなどをお聞きしました。
取材はCyberAgent Legitと、地方と首都圏を繋ぐ取材はCyberAgent Legitと、地方と首都圏を繋ぐ航空会社であるPeachが共同で開催したダンスワークショップ当日に行いました。
現在、国内に約2,000万人いると言われているダンス経験者。2008年の義務教育化などを受けてダンス人口が増えている中「より多くの人と様々な場所で、ダンスを通じて交流したい」という熱い思いを抱えた全国のダンサー達がPeachの飛行機を利用して渋谷区内に集合しました。
メンバーの出身地も多岐に渡り、ジャンルにとらわれないパフォーマンスを得意とするCyberAgent Legitのメンバーがレッスン形式のワークショップだけでなく、参加者の悩み相談や、それぞれの経験を語りました。
「渋谷の街とダンス」地方から見た渋谷・海外から見た渋谷
ーー私(筆者)も高校生の時にダンス経験があるので、短期間でハイクオリティなパフォーマンス&バトルを完成させるD.LEAGUE に出るみなさんの「体力」「メンタル」の強さ、そして「チームの決断力」に心打たれています。
大阪と富山から上京、今は渋谷を拠点にDリーガーとしてダンスバトルやワークショップなどで活動されているお二人ですが、上京する前「渋谷」にはどんなイメージがありましたか?
ena&Kotori:
THE 東京ですね!(笑)
ena:
東京=渋谷=ハチ公というイメージがありました。
初めて渋谷に来た時はSHIBUYA109やスクランブル交差点などの写真をフォルダいっぱいに撮りましたね!
kotori:
先日友だちに渋谷を案内した時に「天気予報で見る街だ!」と言っていたのが印象的で、私も上京する前はそんな風に思っていたなと思い出しました。
ーーenaさんはオーストラリアにダンス留学をされていたと聞きました。海外と日本・渋谷とのカルチャーの違いなど感じましたか?
ena:
上京する前に、オーストラリアにダンス留学をしたのですが、海外の人の寛大さと自由さに圧倒されました。「とにかく楽しもう!」という意識が強く、その分時間にルーズだったりして感覚の違いに慣れるのに時間がかかりました。
日本に帰ってきて、周囲への気遣いや物事をきっちり完了させる、相手の気持ちを考えて発言するなど簡単に頭が切り替わった時に「自分は日本人だな」と感じました。
ーー学生時代に地方からたまに来ていた渋谷の景色が大きく変わってきているかと思います。渋谷の街の再開発に伴ってダンスをできる場所が減ったり、新たな発信場所が生まれたりしています。
渋谷ならではの、コミュニティーの場や人とつながった経験はありますか?
ena:
コミュニティーの場というと圧倒的に宮下公園が頭に浮かんできます。
昔の宮下公園は“THE STREET”! ダンサーにとって練習やコミュニケーションの場として最高の場所でした! 当時の私は大阪からたまに東京に通う学生でしたが、わざわざ宮下公園の近くを通ってみたり、踊りを見せ合うダンスサークルに飛び込んでいき、たくさんのダンサーと繋がりました。
Kotori:
私も宮下公園ですね。現在の新しい宮下公園は、TikTokの撮影地として盛り上がっているように感じます!
私たちも撮影をしによく足を運んでいて自分達と同世代の方が多く利用しているので、ファンの方にお声がけいただいたりもして刺激をもらっています。再開発によってダンサーだけではなく、世代も職業も関係なく、多くの人々に愛される宮下公園に進化したなって感じています。
ーー宮下公園に行けばCyberAgent Legitのメンバーに遭遇できちゃうかもしれませんね!!!
ena/Kotori:はい! もし見かけたら気軽に声をかけてください!
CyberAgent Legit加入、プロダンサーになる
ーーお2人がプロのダンスリーグであるCyberAgent Legitに入るきっかけはなんだったのでしょうか?
ena:
2020年にオーストラリアから日本に帰国して、大阪から上京しました。4月から新社会人として働く予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、来年度まで入社を待ってくださいと言われてしまったんです。
これから1年間どうしようと先が見えない時にCyberAgent LegitのディレクターであるFISHBOYさんから「世界初のプロダンスリーグが開幕するから自分のチームに入らないか?」と電話をいただきました。
そんな奇跡の電話をきっかけに、就職もアルバイトも振り切って、ダンス一本で生活していくことを決めました。
Kotori:
私はチームリーダーのTAKUMIに誘われて、CyberAgent Legitへの加入を決意しました。
18歳の時に富山から上京しましたが、東京の生活ではTAKUMIとSORA(D.LEAGUE 21-22 SEASONをもって退団)がいつも心の支えになってくれました。今では兄妹のような存在だと思っています。
そんなTAKUMIがチームリーダーで、SORAもメンバーにいて、仲間が揃っているチームができるなんて「やるしかない!」と即決でした。
シーズン中に怪我をしてしまった時も、チームのみんなが支えてくれて、自分も他のメンバーのことを支えて、CyberAgen Legitはこのメンバーだからこそ最高のパフォーマンスができているチームだと感じています。
自分の強みを武器に、夢と目標 !!
ーーお二人の夢を教えてください!
ena:
自分の強みは留学経験もあるので英語が話せること。世界のチームとコミュニティーを作って、日本だけではなく世界で活動していきたいと考えています。
Kotori:
東京で活躍しながら、地元の富山でダンススタジオの経営や、ダンスを通したネットワークを広げる活動をしたいです。
自分自身が地方出身者で、新しい仲間を作りづらかったり、地元ではダンスが思い切りできる環境がなかったので、地方でも良いダンサーを生み出せるように活動していきたいと思っています。
今日のワークショップの話を聞いたときは本当に感動して、地方からPeachに乗って東京でダンスのワークショップを受けて、地元や地方でダンスを広めていくことができるこんな素敵な企画をもっと開催したいと思いました。
筆者自身も学生時代にダンスの楽しさやダンスコミュニティーを経験したので、華やかさの裏にあるダンスだけで活動していく難しさも当時のインストラクターの先生から学びました。
同世代のお二人が地方から上京し、ダンスで活躍する姿、ダンスが本当に好きで仕方がない様子はとても輝いていていて、ワークショップ中やインタビュー中も終始眩しかったです。
地方出身者も多く、ダンスの中でも多くのジャンルを得意とするCyberAgent Legit。チームの活躍も、今後のお二人の未来からも目が離せません。
◾️ena 略歴
大阪府出身。6歳の頃、テレビで見たSMAPに影響を受けたのがきっかけでダンスに興味を持つ。家の近くのダンススクールに通い、JAZZ・HIPHOP・POP・LOCK・WAACKといった様々なダンスのスタイルを学んだ。高校在学中に世界大会「JUSTE DEBOUT 2018 WORLD FINAL」ベスト4、全国大会「OLD SCHOOL NIGHT VOL.17」LOCKING 2ON2 BATTLE優勝。高校卒業後、オーストラリア(シドニー)に留学し、そこでインストラクターや、数々のダンスバトルに出場。シドニーで最も大きな大会である、「Destructive Steps」でも2冠を獲得する。20歳までオーストラリアを拠点とし、LOCKをメインに各地方、海外へのダンスバトルに出場し。多くの世界大会でタイトルを獲得している。
Instagram:@ena_lock
◾️Kotori 略歴
富山県出身。5歳の頃に母の友達から誘われたことがきっかけでダンスを始める。
12歳、当時同じキッズとして世界的に有名になっていたメンバーに憧れダンスバトルの大会「DANCE ALIBE HERO’S」の北海道予選に出場、準優勝を飾る。
自由に自分を表現できる楽しさを覚えたKotoriは県外に赴き、持ち前のセンスと技術を駆使し大会で入賞を重ねつつ、日本中のダンサーと交流を持つようになった。
HIPHOPに限らず、WAACKやSOULは得意分野でもある。
18歳で上京、幼いころから日本各地で戦い高めあってきた同世代たちとCyberAgent LegitとしてD.LEAGUEに挑戦中。出身地の北陸からの支持も厚い。
Instagram:@kotoriii
◾️CyberAgent Legit
Web https://home.dleague.co.jp/teams/t0m9/
◾️Peach Aviation株式会社