大人も楽しむのが秘訣!? 子供たちから根強い人気を誇るボランティア団体 “子どもと一緒に遊び隊” 青木愛希子さん

1999年から活動を始めた子どもと一緒に遊び隊(以下遊び隊)。

遊び隊は渋谷区の小学生を対象としたボランティア団体で、主に週末、実験や料理教室など体験型のプログラムを企画・運営しています。

渋谷区には、たくさんの子どもに向けたボランティア団体があります。そんな中、今年設立24年を迎えた遊び隊には大きな特徴と呼べるものがあります。それは、プログラムの種類の豊富さ。メインは実験や料理ですが、バスケットボール教室やパソコン教室などバラエティに富んだプログラムも少なくないです。
そのユニークなプログラムはどうやって生まれているのでしょうか。今日は遊び隊の3代目代表・青木愛希子さんに、遊び隊と青木さん自身についてお話を伺いました。

遊び隊について

ーー遊び隊のプログラムはどのように作られていますか?

遊び隊では、月に1回隊員会議を行なっています。そこへ隊員がそれぞれ興味のあることや、やってみたいことを持ち込んできます。それらの案をみんなでどうしたら行事になるのか。話し合って決めています。
「こういうことに興味があるんだ」というのでもいいし、きちんと企画を立てて持ってきてもどちらでも大丈夫というふうにしています。それをみんなで相談して、じゃあ次はこういう企画やってみよう!という形になります。

ーー遊び隊の特徴を教えてください。

遊び隊の特徴としては、小学生の頃にプログラムに参加してくれていた子が、学生とか社会人になってボランティアになってくれることがすごい多いんですよね。毎年夏に行われるサマーキャンプも、ボランティアの半分以上の人が参加者として参加していたんです。今年のキャンプリーダーをやってくれている子は、私が1番初めに学生の時に連れて行きました。彼女は、私と同じ班だったんですけど、大きくなって今度はスタッフとしてキャンプリーダーをやってくれている。みたいな感じで、繋がりが強いな、と感じます。それだけ、また来たいな。と思ってもらえるような場所なのかな。とも思います。
また、ただ遊ぶだけじゃなくて行事ひとつひとつに学んでもらえるようなプログラムを企画しています。精一杯遊んで、そして何か、何か学んで持って帰れるような経験をできる場所だと思っています。

放射線技師をやりながら、遊び隊に参加する2児の母。

ーー遊び隊に入ったきっかけを教えてください。
大学生の時、私は障がい者施設でボランティアをしていたので、そういうボランティア活動には元々興味があったんですよね。
あと、私の本業は放射線技師なんですけど、勤務先の病院で小児科病棟のボランティアをしている方々を間近で見ていました。それもあってか、子どもと関わるボランティアにも興味を持つようになったんですね。
そんな時に、遊び隊のボランティア募集のチラシを見つけて入った。という感じですね。

ーー子どもと接する上で、大切にしていることは何ですか?

もちろん、子どもたちの健康や安全は守らないといけないです。けどやっぱり1番大切なのは、自分が一緒に楽しめるかどうか。自分も楽しむことが大事だと思っています。今私は代表という立場なので、「時間通りに行っているかな。」とか「安全じゃない所はないかな」というような上からの目線を持ちつつも、子どもと一緒の目線を常に持っていたいと思っています!子どもの目線になって、何が楽しいかな。ていうのをいつも考えてプログラムを作っています。


子どもたちが成長できる場所へ

ーー行事の参加は、基本的には子どもだけなのは何故なのでしょうか?

保護者の方が見ていると緊張しちゃったりするので、子どもたちだけで色々なことに挑戦することに意味があると思っているからです。料理とかも、親がいるとついつい手を出しちゃいますしね。
うちの娘も、遊び隊に参加していますけど来た時には、あんまり親としては接しないようにしています。ここでは、遊び隊のあきちゃん(青木さんの遊び隊でのニックネーム)であって、お母さんではないからね。と伝えて遠くから見守っています。

 

ーー遊び隊を通して、子どもたちは何を学べると思いますか?
自分で考えて挑戦してみることと、困った時に近くに助けてくれる大人がいるってことを知ってもらえると思います。

より多くの学びが得られる場所へ

ーー青木さんが遊び隊に入って良かったと思える瞬間はどのような時ですか?
やっぱり自分が想像して、こういうのをやりたいなとっていう自分の企画したプログラムが実際に行われて、子どもたちがすごい楽しんで笑顔でいてくれるのを見た時が1番嬉しいし、入って良かったな。と思えますね。

ーー青木さんやその他スタッフの方々は、本業(学業や仕事)があったり家族がいたりと、忙しいはずなのにボランティアをしています。そのモチベーションはどこから来ているのですか。

ひとことに、遊び隊が好きでたまらないからだと思います。遊び隊にいる人たちがやっぱり好きで。どんなに忙しくても、時間を作って企画したりしている感じですね。
遊び隊が生活の一部になっていますね。(笑)
初めの方は、自分が持っているもので子どもたちを楽しませるぞ!やってやる!みたいな気持ちが若い頃にはあったと思います。けど、気づいたらいつでも遊び隊に行けば楽しいことがあるし、そこに行けば楽しい話が聞けて、いろんな学びがあって。それを家に持ち帰って、自分でまた考えて行ったことを今度実現できてっていう。なんだろう。本当に病みつき。(笑)

ーーこれから、遊び隊はどのように変化していくと思いますか?

先ほど遊び隊の特徴でもお話ししましたが、遊び隊は「繋がり」の強い団体です。なので、今小学生の子たちが高校生、大学生、社会人になった時に新しいメンバーとして入ってきてほしいです。
また新しいメンバーもどんどん入ってきているので、それぞれの良さを持ってきてもらって、遊び隊がより良い場所になっていくと思っています。

 

 

編集後記
僕も遊び隊の一員として活動をしていますが、遊び隊はアットホームな雰囲気で居心地の良い場所です。子供達を楽しませることを1番に考えていますが、その中でスタッフも楽しむことができる。そんな団体です。
今回のインタビューを通して、青木さんの優しさや、芯にある強さなどが感じられました。
これからも自分の長所を生かして、遊び隊に生かしていきたいと思います

 

◾️青木愛希子 略歴
ボランティアグループ『子どもと一緒に遊び隊』の現代表。1999年の立上げ当初から子どもと一緒に遊び隊の活動に携わり、キャンプや工作教室など小学生の居場所づくりを目的としたイベントを企画・運営している。
普段は診療放射線技師として病院に勤務し、その休日を利用してボランティア活動に努める。
渋谷区立の小学校へ通うふたりの娘の母でもある。

 

◾️子ども供と一緒に遊び隊  https://profile.ameba.jp/ameba/kodomoto-issyoniasobitai

シェア・送る