子どもから子どもへ、
そして周りの大人に広げていきたい
最近ではすっかり耳慣れた言葉となったSDGs。耳や目にはするけれど、具体的な内容や何をしたらよいのかををうまく説明できない方もいるのではないでしょうか?恥ずかしながら筆者はそんな大人の1人でした。
そこで今回は『子どもから子どもへSDGs』をモットーに活動をする渋谷区SDGs協会のキッズアンバサダー、いろはちゃん(小学5年生)と さくとくん(小学4年生)の2人にお話をうかがいました。( https://lit.link/animaskTV )
(聞き手:tannely イトウノリコ))
※文中、会話部での敬称は略させていただきました。
夏休みの自由研究がきっかけで知ったSDGs
一般社団法人渋谷区SDGs協会のキッズアンバサダー として活躍する2人。どういった経緯でアンバサダーになったのかを聞いてみました。
いろは「3年前の夏休みに参加した『海の自由研究フェス』というイベントで海の環境破壊やSDGsと出会い、このままではいけないという強い意識を持ちました」
さくと「海洋汚染のことを知って悲しくなりました。たとえば、海に浮かぶレジ袋を海ガメが食べてしまうとプラスチックが消化されなくてお腹にたまってしまって食事ができなくなってしまうんです」
そこで、夏休みの自由研究としていろはちゃんは地球温暖化とSDGs、さくとくんは海洋汚染についてのポスターを制作しました。さらに、小学校低学年の友だちにも伝わるように紙芝居も作りました。
夏休みが明けても2人の環境問題への関心は変わらず、さまざまなSDGsに関するイベントへ参加し、作成した紙芝居について話をするようになったことがキッズアンバサダー就任につながっていったそうです。
さくと「キッズアンバサダーになってからは『子ども先生』として高校や小学校を訪れ、紙芝居を披露したりゴミの分別クイズを出したり、SDGsのイベントに登壇したり、オンラインでもたくさんの活動をしてきました。子どもが話すと、何を話すんだろうって子どもも大人もみんなちゃんと聞いてくれるんです」
同世代の仲間との『ゴミ拾いチーム』結成
昨年、渋谷から千葉の海の近くへ家族で引越しをした姉弟は、小学校の友だちを巻き込んで海岸清掃をする子どもの「ゴミ拾いチーム」を結成しました。
さくと「ある日、ぼくたちが海岸でゴミ拾いをしているのを知っていたクラスメイトが『近所の公園にたくさんのゴミ(不法投棄)があるから一緒に片付けに行こう!』と家に誘いに来てくれたんです。ずっと仲間が欲しいと思ってたから、ゴミ拾いに興味を持ってくれる友だちがいたことがすごくうれしかった」
同世代の友だちが初めて活動に共感をして行動を起こしてくれた瞬間でした。そのことがきっかけとなって小学校の校長先生にゴミ拾いチームの仲間を集めるチラシを配布させて欲しいと直談判。今では25人(14家族)の仲間がいて、天気の良い日などに声をかけて集まり海岸のゴミ拾いをしています。
さらに、年明けに『ゴミ拾い新聞第一号』を発行したさくとくん。今はお母さんに手伝ってもらっているけれど、今後は友だちと作っていきたいと話してくれました。
クラファン開始から7時間半で目標金額を達成!
子どもだから伝えられる形がある
清掃活動を通して海底には陸に流着するゴミの90倍のゴミが溜まっていることを知ったさくとくん。海の中の清掃活動をするために姉弟でダイビングの免許を取ることを決意したそうです。そして、2022年の年明けから免許取得に必要な費用を集めるためのクラウドファンディングを開始しました。目標金額は30万円。どれだけの人が理解を示して協力してくれるのか不安だったそうですが、開始からわずか7時間半で目標金額に到達しました!
今まで2人がコツコツと活動してきたことが一つの形になったといえるかもしれません。これからも自分たちの活動をみんなに知って、見てほしいと2人は話します。
渋谷の街でのゴミ拾いやSDGsを広める活動、海岸などでの清掃活動、両方に力を入れている2人。渋谷から始まっている自分たちの活動についてどう思っているのか聞いてみるととても明快なビジョンが。
いろは「子どもの言葉でシンプルに伝えていきたいと思っています。大人の言葉はむずかしくてわかりにくいこともあるので」
さくと「ぼくたち子どもが頑張っていると、『なんだ、なんだ??』って同じ子どもが興味を持ってくれるし、そうするとその親や周りの大人にも広がって行きやすいと思うんです」
そんな2人の将来の夢は!?
最後に、それぞれの将来の夢を教えてくれました。
さくと「環境大臣になって海洋汚染のない社会をつくります!!」
2020年の9月に行われた環境関連のイベントで元環境大臣の小泉進次郎議員に会ったことがきっかけだったそうです。
いろは「美容師になって、福祉施設でのヘアカットをしたり、色々な事情でウィッグが必要な人たちに笑顔を届けたいと思っています。幼稚園の頃からの夢なので実現できるように頑張ります」
そんないろはちゃんはとっても綺麗なストレートヘアを人生2度目のヘアドネーションのために伸ばしている最中です。
1人が捨てるとそこにゴミの山ができてしまう
最初は緊張した面持ちだった2人が最後はじゃれあいながら楽しそうにそれぞれの活動への思いを伝えてくれました。
さくと「街中のゴミって山になっているんです。ゴミが一つもなければ誰も捨てないんです。あとはゴミ拾いをする人が増えることも大切だなって思ってます」
いろは「1人が捨てるとそこにポイ捨てをする人がいるので、わたしたちが活動を続けることでゴミを捨てないことに共感してくれる人が増えたらうれしいです」
私たちが何気なく捨てているゴミに対する考え方、1人1人の気持ちが大切だということを改めて教えてもらいました。シンプルな言葉で語られるからこそ伝わる想い、彼らの活動がどんどん広がっていくのが楽しみです。
■ いろは さくと 略歴
渋谷区出身。いろは(2010年生まれ)、さくと(2011年生まれ)。
2019年にSDGsと海の困りごとに出会い、環境問題の啓蒙活動を開始する。
2020年、渋谷区SDGsキッズ アンバサダーに就任。以降、SDGsを広めるために街や海の清掃活動や、「こども先生」としてイベント等に登壇するなど積極的に活動をしている。
ライター:tannely イトウノリコ