2022年12月、大きな盛り上がりを見せたFIFAワールドカップ カタール2022。まさに、その立役者の一つとなったのが新しい未来のテレビ「ABEMA」であり、日本史上初となる全64試合を無料生中継するという偉業を成し遂げました。
そんな、新たな取り組みに果敢に挑戦し続ける株式会社サイバーエージェントの動画配信サービス“ABEMA”。サイバーエージェントは渋谷で創業した、渋谷を代表するIT企業です。
今回は渋谷区宇田川町にあるAbema Towersにて、ABEMAアナウンサーとして活躍する西澤由夏さんにお話を伺いました。
すべての経験に意味がある
「幼いころからテレビっ子で、その影響もありアナウンサーというお仕事に憧れを抱いていました。本格的に意識し始めたのは、高校受験で進路を考えたときですね。アナウンサーの夢はもちろん、将来の選択肢を広げるためにも進学したい大学の附属高校を受験しました。当時バスケ部で副部長を務めるほど部活にも熱心に取り組んでいたのですが、塾へ通うために部活を早退したりで両立がうまくできなかったことが今も心残りですね」
昔からすべて100%の意気込みで取り組むタイプだったと話す西澤さん。今もその性格は変わっていないそうです。周りが学業か部活どちらかに専念するなか、なんとか両立をしたといいます。ご両親のサポートもあり無事に第一志望の大学附属高校へ進学。そのまま進学し、大学在学中にはミスコンでグランプリを受賞し、アナウンサーへの道を着実に歩んでいましたが、就職活動ではキー局のアナウンサー試験で不合格に。夢を諦めきれない気持ちもあり「少しでもメディアに関わる仕事を」とサイバーエージェントに就職し、営業職として忙しい日々を送っていたそうです。その後、同社の事業であるAbemaTV(現:ABEMA)“アナウンス室”開設を機に、アナウンサーの夢をつかみました。
「目標を決めたらそれに向けて努力をするタイプなので、アナウンサーの道が閉ざされた就職後は、なかなか吹っ切れないまま日々を過ごしていました。けれど、今振り返ってみれば意味のある2年間だったと思えます。すべての経験があったからこそ、今、いろいろなチャンスが巡ってくるなかで『後悔するよりやってみよう』と前向きに挑んでいけます。身の丈にあっていないチャレンジも、挑めば結果として自分のプラスになったり、周りから『よかったよ!』と声をかけてもらえることが多くて。今なら、キー局のアナウンサー試験に落ちたことにも意味があったのかなと思えます」
今ではバラエティからニュースまで大活躍、週刊漫画雑誌の表紙でグラビアを飾るほどの人気者になり、その“逆転力”がメディアでも話題になっています。昔からの性格だという“常に全力で取り組む姿勢”はもちろん、人気が出てもおごることなく誰にでも真摯に向き合う姿は、実際にお会いしたなかでとても印象的でした。
優秀な若者がたくさんいる街
意味があったと話していた営業職としての2年間も、アナウンサーとして夢を掴んだのも、すべてこの渋谷だった西澤さん。西澤さんにとって渋谷はどんな場所なのかお伺いしてみました。
「社会人になってからはずっと渋谷で過ごしていて、街のいたるところに思い出があります。特に神泉は嬉しかったり、悔しかったり……いろいろな感情で歩きましたね。他にもプライベートでよく飲みに行ったお店もありますし、昔は渋谷のハロウィンに参加したことがありますよ! 渋谷の街は常に変わっていて、トレンドに敏感な人がたくさんいる街だなと思います。あと、渋谷にいる人たちはちゃんと流行は踏まえ順応しつつ、自分がいいと思ったものは貫く人が多い印象です」
「社長の藤田も起業の際に、『トレンドに敏感で優秀な若者をたくさん採用したいから渋谷を選んだ』と聞いています。そこからオフィスの移転はあっても渋谷の中なので、今もその考えは変わらないのかなと思います。AbemaTV(現ABEMA)開局前に運営していたライブストリーミングサービスでも、渋谷の定点カメラの様子を流すチャンネルがありましたし、今も若者の声などのインタビューは渋谷で街頭取材することも多いです。私がアシスタントを務める番組に長谷部(健)渋谷区長にお越しいただいたこともあるなど、渋谷の街との関係は強いと思います」
新しい未来のテレビの可能性
最後に、テレビ離れの進む若者たちの間でも、スマホやパソコンでいつでもどこでも見られるABEMAは「新しい未来のテレビ」として、着実に視聴者を増やしています。そんなABEMAやABEMAアナウンサーの魅力を聞いてみました。
「ABEMAの魅力はジャンルやコンテンツの多さです。ニュースやバラエティはもちろん、オリジナルの恋愛番組やドラマ、スポーツにアニメなど豊富なジャンルのコンテンツがたくさんあります。スポーツも、特にメジャーな種目から、麻雀や将棋などコアなジャンルのスポーツまで幅広く取り扱っています」
「今回のW杯はもちろん、昨年大きな話題となったキックボクシングの大会『Yogibo presents THE MATCH 2022』など話題のコンテンツを通して、より多くの方々にABEMAを知っていただき、お使いいただく機会につなげられたのでは感じています。なので、ここからはよりABEMAらしい色を出していくことで、“新しい未来のテレビ”として大きく飛躍していきたいと私は思っています」
「私たちがABEMAアナウンサー1期生で、可能性は無限大。今も固定概念にとらわれることなく、バラエティでもどこまで自分のことを話していいか探りながらやっていて、歴史を作っているような気持ちです。なので、今はあえて目先の目標は考えていません。目標に捉われて可能性を潰してしまうよりも、新しいことにどんどん挑戦してABEMAアナウンサーや後輩の道を広げていきたいと思っています。
あとは……大きな目標としては生涯アナウンサーに関わる仕事をしていたいです。どんな形かわかりませんがこのお仕事にずっと携わっていきたいですね。“アナウンサー寿命”なんて言葉も、新しい未来のテレビであるABEMAには関係ないと言いたいです!」
そう笑顔で話す彼女。かつて呼ばれた“下克上アナウンサー”という肩書きで入ったアナウンサー界でしたが、今ではABEMAの激進、そして日本メディアの成長をも担う存在となっています。今後の彼女の活躍はもちろん、30年後の“アナウンサー西澤由夏”にもワクワクするお話でした。
◾️西澤由夏 略歴