「こどもからこどもへ」のモットーを掲げ、キッズアンバサダーによるSDGs啓蒙活動を行う、一般社団法人渋谷区SDGs協会。
今回は同協会で理事を務める佐々木つぐみさんにお話を伺いました。(聞き手:鏡理吾 高校1年)
普段されている活動
協会での佐々木さんの主な仕事は、協会にいる二人のキッズアンバサダーのサポートです。
キッズアンバサダーの二人は佐々木さんのお子さんで、時には母として、時にはマネージャーとして、日々の生活からイベント企画まで、さまざまな面で彼らの活動を支えています。
キッズアンバサダーはワークショップや野外イベントなど、これまでさまざまな場面で活躍してきました。
「こども先生」として区内の高校や小学校で、紙芝居を使った授業を行ったこともありました。
大人の堅苦しい話には関心を示さないこどもたちも、楽しい紙芝居なら話は別。「こどもからこどもへ」をモットーに、SDGsをわかりやすく伝えてきました。
活動するようになった経緯
佐々木さんが協会に参加したのは今から2年前。きっかけは子供たちが参加したとあるSDGsに関するワークショップでした。
SDGsに興味を持った子供の「やってみたい」という声を後押しする形で、ここまで活動を行ってきました。
それまでの協会は、企業や行政など「大人」に向けた発信を主に行っていました。
しかし、キッズアンバサダーたちは「大人に期待しても世の中は変わらない」「大人にSDGsを話すのはよそがやっている」と考え、こどもへの発信に力を入れてきました。
彼らが目指しているのは、ゴミを捨てない、無駄遣いをしない、といった当たり前のモラルをもったこどもを育てていくことで、20年後30年後の未来をより良くしていく、ということだといいます。
活動のモチベーション
キッズアンバサダーと佐々木さんは2年間、渋谷の人たちとともにさまざまな活動をしてきました。
そうした活動をサポートする彼女の一番のモチベーションは、SDGsを通して子供たちが成長してくれること。
子供がやりたいと言ったことを応援してサポートする、サッカー教室の送迎をしているお母さんたちとまさに同じような目線で佐々木さんは活動を続けています。
しかし佐々木さんの活動にはそんなお母さんたちとは決定的に違う意味があります。
それは、子供たちの夢を佐々木さん自身がリアルに叶えてあげられる、ということです。
「子供たちと過ごせる有限の時間で、彼らを少しでも伸ばせたら嬉しい」という一言に、佐々木さんの思いが凝縮されていました。
今後の活動
最後に佐々木さんご自身のSDGsに対する考え方を伺いました。
言葉だけ聞くと、国連が、企業が、と難しく考えてしまいがちなSDGs。佐々木さんはSDGsとは生活そのものだと考えています。
例えば私たちが日常的に心がけてきた、節水や節電、ゴミの分別。こういった日本人として当たり前の生活を取り戻すだけでクリアできる課題は多いといいます。
遠い海の向こうの国の話ではなく、私たちの生活に潜んださまざまな課題こそが本当のSDGsだということを改めて再認識することができました。