
「都会のオアシスです」
店長のりゅうたさんは、この空間をそう表現した。
渋谷BEAMの外側に、視界が開ける一角がある。りゅうたさんのいう“オアシス”は、そこに広がっていた。
渋谷MAPSのキッチンカー。10月30日から、営業できる日は毎日オープンしている。モノクロを基調としたクールなデザインに、あたたかみのある小さな電球が吊るされ、渋谷らしい”自由さ”を感じさせる。

キッチンカーの横には、テーブルと椅子がずらりと並ぶ。バースタイルで、思い思いの一杯を屋外で楽しめる。


ビール、ウイスキー、サワー、カクテル。
さまざまなドリンクがここにはある。ジントニックを注文。屋外で眺める炭酸の煌めきは、格別。泡が、グラスを駆け上がる。口内に広がるジンの爽やかな香りも、渋谷の夜を優しく包みこむ。


テラス席の周りにも電球が揺れ、柔らかい光を落としていた。通りの喧騒が一段下がるような、そんな落ち着きがある。

ところどころに姿をあらわす「緑」が、ここがどこかを分からなくさせる。渋谷らしい賑わいをBGMに緑を感じることは、そうあるものじゃない。音や光が交差し合う、スクランブル交差点や、センター街。そこから数分歩くと、想像もつかない場所が広がっていた。

りゅうたさんは渋谷センター街にある「渋谷MAPS」の店長と、キッチンカーの店長を兼任。双方の違いをこう語った。
「MAPSはセンター街の脇道にあるのでお客さまも来店に勇気がいるお店ではあると思います。その分、一歩店内に入ると居心地の良さや独特の空気感を味わえます。キッチンカーは開けた道沿いにあって、店の外観がすぐわかるので、気軽にご来店いただけるかなと思います。」
じっくり過ごすMAPS、ふらっと立ち寄れるキッチンカー、二つの異なるスタイルで渋谷を堪能することができる。

このスペースはキッチンカーに限らず、さまざまなイベントを開催することも可能だ。フリーマーケットやワークショップ、展示会など。場所を借りれば、どなたでも開催することができる。
枠にとらわれず自由気ままなこの空間は、多くの人にとってのオアシスとなっていくことだろう。











