
16歳で起業、20歳にして登壇実績100件超。
そんな「Z世代の代弁者」であり、Fiom合同会社CEOの竹下洋平さんの目に、今の渋谷はどう映っているのか?
今回、竹下さんが率いるFiom合同会社が企画プロデュースしている「Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)」が弾き出した「気まずさ」や「UGC」のデータは、私たちが必死に耕してきたこの街の解像度を一瞬で書き換えました。大人たちの予想を鮮やかに裏切る、刺激的な対話の記録をお届けします!
Z世代の「気まずい」は、現代を生き抜くための最強の武器だった

インタビューの中で、私が最も「えっ、どういうこと!?」と身を乗り出したのが、竹下さんが語る「気まずさ」の捉え方です。
Z-SOZOKENの調査によると、なんとZ世代の93%が日常的に『気まずい』という言葉を使いこなしているそう。
私たちが沈黙を埋めようと必死に話題を探すのに対し、彼らの『気まずさ』への向き合い方は、もっと一歩先を行く、進化したものでした。
数年前に大流行した「きまZ(きまぜっと)」という言葉とポーズ。これは、ただの流行じゃなくて、「ネガティブな空気感をエンタメに変えるもの」だったんだと竹下さんのお話しを聞いて気づきました(笑)
- 会話がふと途切れた沈黙の瞬間
- 街でばったり知り合いに会ってしまった微妙な空気
そんな、本来なら「隠したい恥ずかしい瞬間」を、あえて「あ、今きまZだね!」と言語化してネタにしてしまう。そうすることで、重たい空気をポップに回避する(笑)
竹下さんは、「SNSで常に繋がり、空気を読みすぎてしまう世代だからこそ、この『気まずさ』を共有することが、お互いのパーソナルスペースを守るための最強の潤滑油になる」と分析しています。 私たちが運営する「渋谷新聞」や「まなぶや」といった現場でも、この「あえて気まずさを楽しむ」という視点を取り入れるだけで、若者たちとの距離がもっと縮まる。そんな確信を持ちました。
広告はスルー、信頼されるのは「体温のある生声(UGC)」

「どうやったら、私たちの想いがもっと若者に届くんだろう?」 これは、渋谷新聞を運営する私たちが常に考えている課題の一つです。竹下さんの調査によると、その答えは残酷なほど明確でした。
Z世代の61%が「大人が考えたZ世代向け広告」に興ざめしている一方で、一般人の投稿(UGC:ユーザー生成コンテンツ)は、企業の公式広告よりも約2倍も信頼されているという結果が出ています。今の若者は、「作られた完璧な世界」よりも、「自分と同じ目線の、少し不器用なリアリティ」を求めているんですね。
「古い」を「エモい価値」に変えるリフレーミングの魔法
その好例が、竹下さんが手掛けた新潟県三条市とのプロジェクトです。 地元の大人が「魅力がない」と諦めていた古い街並みを、あえてコンデジの質感で、若者の感性で切り取りました。 すると、それが若者には「エモくて最高に価値がある!」とリフレーミング(視点の書き換え)されたんです。
私たちが渋谷の街で続けてきた活動も、竹下さんのような視点を通せば、もっと新しい「輝き」を放つ資産に生まれ変わるはず。自分たちが持っている宝物に、一番気づいていないのは私たち大人なのかもしれません。
渋谷のカオスをハックする「デコ文化」への注目

今、渋谷の路上で何が起きているのか? 竹下さんが今、熱く注目しているのが、スクールバッグをチャームやステッカーで埋め尽くす「デコ文化」です。
一見、「ジャラジャラしていて派手だなぁ」と思ってしまうアレですが、実は渋谷の街そのもの(路上アートやステッカーだらけの壁面など)のカオスな文脈とリンクしているんだそうです。
「大人の予想を裏切るインサイトは、常に路上にある」。 若者の感性で「古さ」や「カオス」をかっこいいと再定義し、ローカルの自己認識を刷新していく。
ギルド型組織が導き出す「感性と責任」の黄金比

竹下さんの組織運営も、極めてスマートでした。 彼の会社「Fiom合同会社」は、特定の組織に縛られるのではなく、領域ごとのトップクリエイターが集まる「ギルド型組織」。
そこには、大人顔負けの戦略がありました。
- 感性が尖る10代・20代前半: デザインや映像など、表現の最前線を担当
- 経験値のある28歳前後: プロジェクトマネージャー(PM)やディレクターとして全体を管理
「若さ」を懐疑的に見られないよう、業界団体への所属や具体的な実績提示で権威性を担保しつつ、当事者性を武器にする。この「尖った感性と、それを支える責任感のセット」で仕事を勝ち取る姿は、まさに私たちが応援したい次世代リーダーの理想像そのものでした。
最後に…仕事を「企み」、遊びを「本気」で。
インタビューの最後、竹下さんが話してくれた「目指す大人像」が心に残っています。 それは、「少年のようなワクワク感を心に宿しながら、大人の責任をしっかり果たせる人」。
「仕事ばかりしていると、どうしても思考が社会に順応して、丸くなってしまう。だからこそ、仕事の枠組みを外した『遊び』からスタートすることが大事なんです」
この言葉は、日々のタスクに追われがちな私にも、ガツンと刺さりました。
実は、4月から私が個人的に企んでいる「毎週テーマを決めてアウトプットを持ち寄るクリエイティブイベント」の話をしたら、竹下さんは即座に「めちゃくちゃ面白そう!行きます!」と快諾してくれたんです。
仕事を「こなす」のではなく、面白いことを「企む」感覚。 その「遊び」の中から、誰にも真似できない新しい価値が生まれていく。そんな幸せな循環を、竹下さんは渋谷の街で体現しようとしています。
編集後記
今回のインタビューを通じて、私たちの掲げる「教育とまちづくりは地続きである」という理念が、いかに豊かな可能性を秘めているかを再確認できました。「気まずさ」や「嘆き」をネガティブなものとして切り捨てるのではなく、そこにある「本音」を面白がって価値に変えていく。そのしなやかさこそ、今の社会に一番足りないものかもしれません。
竹下さん、本当に刺激的な時間をありがとうございました!
この記事を読んで「Z世代のインサイトを自分のビジネスにも取り入れたい!」と思った方は、ぜひFiom合同会社やZ-SOZOKENの公式サイトをチェックしてみてください。新しい時代のヒントが、山ほど詰まっています!
◾️竹下洋平
Z-SOZOKEN(Z世代創造性研究所)所長 / Fiom合同会社CEO
2005 年生まれ。2021 年 10 月に Fiom合同会社を設立。Z 世代のクリエイターの創造性を最大化させるをミッションに、Z 世代による Z 世代向けのコミュニケーションプロデュース事業、リサーチ&プランニング事業を展開しています。











