センター街に100年後の路地裏が登場⁉︎ LストリートとALLEY108が描いたコントラスト

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渋谷センター街。そこは、常に最新の流行が消費され、24時間「今」がアップデートされ続ける場所です。しかし、2026年2月の3日間、その喧騒のすぐ脇に、時間の流れが「バグ」を起こしたような不思議な空間が出現しました。それが、アートプロジェクト「DIG SHIBUYA 2026」の一環として開催された「ALLEY108 EXHIBITION」です。

喧騒の数歩先に現れた、100年後の「空白のブロック」

まず、このイベントの母体である「DIG SHIBUYA」とは、単なる渋谷への集客イベントではなく、街の歴史や公共空間を「DIG(深掘り)」し、最新テクノロジーで再定義しようという実験的な試みです。今回の舞台となったのは、センター街の「Lストリート」。普段は企業のポップアップに使われたり、ストリートバー「MAPS」が存在するこの細長い私道が、アーティストたちの手によって「100年後の渋谷に残された、空白の1ブロック」へと変貌したのです。

興味深いのは、未来を描くのに「ピカピカのハイテク」ではなく、あえて「堆積した時間」を表現した点です。錆びついた鉄柵、剥げかかった壁、闇に浮かぶUVグラフィティ。日常に溶け込むコンクリートの路地を美術セットで「汚し」、数十年分の時間が積み重なったような質感を演出。そこには、再開発で均一化されていく都市に対する、アーティストたちからの静かな問いかけが隠されているようでした。

路地裏という「余白」が、街のノイズをアートに変える没入感

この展示の最大の魅力は、路地という構造が持つ「開放と遮断」の絶妙なバランスです。一歩路地に足を踏み入れると、背後で起きているセンター街の音楽や喧騒が、不思議と遠い異世界のBGMのように聞こえてきます。

夜になれば、その空気感はさらに加速。ライティングやブラックライトで発光するアート、イベントに合わせて特別メニューも販売され、100年後の気配を感じながら冷えた身体を温めるカクテルやホットチョコレートが提供されました。

現在、イベントが終わった今のLストリートには、再びいつもの静かな「余白」が戻っています。渋谷という最も変化の激しい街にあるからこそ、何にでもなれる「路地」の存在は、これからの街を面白くしていく鍵になる。そんな確信を抱かせてくれる3日間でした。

◾️ALLEY108 EXHIBITIONイベント詳細 https://digshibuya.com/program/2077

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