前編ではサステナブルブランド「再倖築」のPOP UPとブランドについて深堀りインタビューを行いました。
パリコレの進出や芸能人への衣装提供を行い、勢いの増す「再倖築」。前編では、着てくれる人がおしゃれになってほしいという思いを持つ田尻さんと、再倖築の服を通して色々なことに気付いてもらえるよう発信をしていきたいという渋川さんのお二人にブランドについてお伺いしました。後編では、どんな思いを持った人がこのブランドを作り上げているのか、お二人の価値観に迫ります。
人を知る
ーーまず自己紹介をお願いします
田尻さん:
田尻永太。23歳。男です。再倖築というファッションブランドを立ち上げ、現在3年目に突入したところです。代表兼デザイナーをしていて、うちのアイテムの大半は僕が作っています。ヒューマンアカデミー総合学園を卒業し、在学中はファッション学科で服のことを学んでいました。
渋川さん:
渋川創一郎です。24歳です。元々は再倖築のファンで、自分より年下の人がブランドをやっているのを見て、なんかすげぇな、と思っているうちにメンバーの仲間入りをしました。現在はプロデューサーとして、POP UPや展示会の企画や接客を行ったりブランドを紹介する役割を担当しています。
田尻さん:
渋川は最初から強烈にかましていました。他のメンバーに強烈な自己紹介をかまし、イベントやPOP UPもオープンからクローズまでいて、お客さんなのに接客していて何してるん?みたいな。ずっといるので、後片付けまで手伝わせて、一緒にカレーを食べに行って、強烈さとコミュ力に惹かれ一緒にやろうよと声を掛けました。
ーー出合いの思わぬエピソードが聞けてびっくりです。もう少しお二人のことを知れたらと思うのですが、普段から大切にしていることや譲れない価値観はありますか?
田尻さん:
感覚に任せること、自分がいいと思ったままにすることを大切にしています。再倖築では、ビジネスは渋川くんに任せて、クリエイティブは全て感覚に頼っています。普段から友達に「調べなさすぎ」ってよく言われるぐらい、なんかいいなと思ったものは全部感覚に任せていますね。欲しいなと思ったものは自分で作っちゃいます。
渋川さん:
自分にできない事は得意な人にやってもらうことかな。このブランドは裏に凄いデザイナー達がいて、自分は何も作れないから作ることは任せる、逆に出来ることはひたすらやる。仲良くなるまで人と話すのが得意なので、人との繋がりもめっちゃ大切にしています。
ーー最高のチームですね!!その中でも共通点としてファッションに興味があるからブランドで服を届けているのだと思ったのですが、お二人がファッションに興味を持ったきっかけは?
田尻さん:
服というより、モノづくりが好きで高校2年生の時からプリントTシャツを作ったりしてました。楽しいなーと思っていたものの、当時は服の専門学校とかは考えてなかったのですが、突然モテたい!モテてぇ!!!と思ってこれも感覚で、調べずに学校を決めました。で、通ってみたらパリコレとかの凄い先生に教えてもらうことができ、服作りという感覚ではなく、モノづくりにバッと火がついて、服作りを始めたって感じです。
渋川さん:
高校生の修学旅行の時、友達に私服がダサすぎると言われて、そこから友達に服の知識を叩き込んで貰いました。大学でアパレルのバイトをして、更に服が好きになって、唯一無二の他人と被らない服に惹かれてリメイクに興味を持って、自分で作ったりした時期もありました。そんな中で再倖築に出会いました。
渋谷との繋がり
ーーずばり、あなたにとっての渋谷とは!?
田尻さん:
時代の最先端。若者の街。やっぱりファッションの動きが早くて、個性を持った人が圧倒的に多い街だと思います。所沢出身なのですが、地元のような場所では再倖築のような服は買えない、でも渋谷にはある。もうなんか欲望が詰まってる街ですね。
渋川さん:
人との繋がりを感じられる街です。人が多い分、出会いは多いし、人と繋がってまた新しい何かが見つかる。先日も友達の友達と出会ったその日にご飯に一緒に行ったのですが、本当に渋谷で今まで色んな人と繋がってきたと感じています。なので色んな人と知り合ったこの街でブランドのお店を出してみたいとかは凄く考えています。
ーー渋谷のお勧めの場所は?
田尻さん:
憧れの地ってことでPARCOです。ファッションを学びたければPARCOに行ってほしいと思います。
渋川さん:
僕もPARCOですね。最先端なものとか話題性のあるものが置かれていてそういうのを見に行くのが面白いです。
田尻さん:
そう。服のトレンドの一番最初を見れるブランドが揃っています。例えば、有名なファストファッションブランドの服もこういうところから派生していることが多いです。でもみんなそれを知らずに、そういうお店で見た服と僕たちのようなデザイナーが作るブランドの服と比較して「似たようなデザインなのになんでこんなに高いの⁉」ってなっちゃうんですけど本当は違うんですよね。ピラミッドで例えると、デザインは層の一番上からわーって下に降りてくるのでまず値段は高いけれど新しいデザインの提案をしてくれるブランドがいるからそうなっているんです。で、そのデザイナーの考えることとかを理解してもらえたら価値が伝わるかなと。
ピカソの絵は誰でもかけるじゃないかという一般の声は多いけれど、それを最初に書いた人はピカソで、ピカソ以外は二番煎じなんですよね。だから本当にそれを考えた人の価値がそのまま反映されていく。で、そこを理解してくれる人が増えたら高い服だけど買おうみたいな人も増え、安い服をワンシーズンで買って捨てる人も減る。なんでこの服は安いんだろう?そういう過程の背景を知ると値段だけじゃない価値に気付いて自分の中で服に対する価値が上がって行くんじゃないかなと思います。そんなトレンドの最前線が知れるのがPARCOです。
編集後記
前編、後編を通して再倖築の深堀りを行いました。私自身、再倖築はこのインタビュー以前から知ってはいたもののどんな人がどんな思いを持って作っているかは知らず、田尻さんと渋川さんの情熱の核に迫るインタビューができて楽しかったです。
実は田尻さんと私は同い年。まだ学生で何も行動を起こせていない私と、世界に進出した田尻さんを比べ、何か思ったらコトの大きさに関わらず一歩を踏み出す勇気を持つ大切さを改めて実感しました。人生を変えるビッグチャンスはいつ、どこで手に入るかわからないのでいつそのきっかけが来ても手に入れることができるように、自分のなまけ癖と戦って小さなことからコツコツ準備を積み重ねていきたいなと思いました。
■田尻永太(Eita Tajiri)
2001年生まれ。再倖築 代表兼デザイナー。
総合学園ヒューマンアカデミー東京校を卒業。
在学中に再倖築を立ち上げ、卒業と同時に本格的にデザイナーとしての活動を開始。
その独創的なデザインがスタイリストや業界関係者の間で評判となり、多くの著名人の衣装を手がけるようになる。
2023年9月、パリでコレクションショーデビューを果たし、日本人最年少デザイナーとして注目を集める。現在も、新たなファッションの可能性を追求しながら、独自のアップサイクルデザインを国内外に発信し続けている。
◾️渋川創一郎(Soichiro Shibukawa)
2000年生まれ。再倖築 プロデューサー。
ブランド戦略やビジネス展開に携わりながら、再倖築のプロデューサーとして活動。
国内外の展示会・コレクションのプロデュース、販売・マーケティングの管理、商談やイベントの企画・運営を統括し、ブランドの成長を支えている。
■再倖築プロフィール
1. ブランド設立
・ 2022年3月:田尻永太がファッションブランド「再倖築」を立ち上げ。古着をリメイクし、サステナブルで唯一無二のファッションアイテムを生み出すことをコンセプトに掲げる。
2. アーティストへの衣装提供
・ 2022年11月:「7ぴあ」11月号にて、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴に衣装提供。
・ 2022年11月:TBSの日本レコード大賞で、King Gnuの常田大希に衣装提供。
・ 2023年5月:TBSのCDTVにて、再びMrs. GREEN APPLEの大森元貴に衣装提供。
・ 2023年10月:藤井風のニューシングル「花」にて衣装提供。
3. 成長とメディア出演
・ 2023年4月:個人事業主化。
・ 2023年9月27日:日本人最年少デザイナーとして、パリコレクションに出場。
・ 2024年5月:TBSの特番「超こどもの日」に出演し、芸能人の愛用服をリメイクしたファッションショーを開催。
・ 2024年7月:「装苑」7月号で取り上げられる。
4. その他の衣装提供
・ にしな、欅坂46、SnowMan、SixTONES、Da・iCE、ヤングスキニー、トンボコープなど、様々なアーティストに衣装を提供。
5. 国際展開
・ Motor Bike Expo 2024 in Veronaにて衣装を製作、提供。
再倖築は、設立から短期間で日本国内外のファッションシーンで注目を集め、特に著名アーティストへの衣装提供やパリコレ進出など、急成長を遂げています。
◾️再倖築お問い合わせ先:
再倖築 (saikouchiku)
ブランドプロデューサー: 渋川 創一郎
Email: shibu@saikouchiku.com
TEL: +81-70-3610-3150
Instagram: @saikouchiku.co.jp