「デフリンピック」をご存じでしょうか?デフリンピックは、耳のきこえない/きこえにくいアスリート(デフアスリート)を対象とした国際的な総合スポーツ競技大会です。そのデフリンピックが来年、東京で初めて開催されます。渋谷区内は開会式・閉会式とデフ卓球の会場となります。渋谷区では、東京2025デフリンピックの気運醸成イベントとして、11月16日(土)から12月9日(月)の間、展示会やトークショー、デフスポーツ体験を行いました。
今回お邪魔したのは、2024年12月3日に渋谷区役所にて行われた「デフリンピック展示ツアー&交流会」。このイベントは、2025年に予定されている東京デフリンピックを見据え、渋谷区の「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」という理念のもと、聴覚障がいを持つ方々や関係者、一般参加者が一堂に会し、理解と共創の場を作ることを目的としたものでした。
デフリンピックの魅力を再発見する展示ツアー
イベントは、産学官民連携のプログラムについて検討・実証を行うチームが主催。冒頭では、渋谷区役所学びとスポーツ課の担当者による展示ツアーが行われました。デフリンピックの歴史や意義、渋谷区が会場の一部となる背景が説明され、参加者は改めてその重要性を認識しました。パラリンピックの知名度が93%である一方、デフリンピックは15%と低い現状が指摘され、知名度向上の必要性が議論されました。
交流を通じた課題共有と新たな可能性の模索
グループディスカッションや交流会では、聴覚障がいを持つ参加者も含めたグループでの対話が進められました。「日々の生活で感じる課題」や「デフリンピックを契機に実現したいこと」という2つのテーマを中心に、具体的なアイデアが活発に交わされました。たとえば、聴覚障がい者が店舗でスムーズに利用できる環境づくりや、意思疎通を楽しめる社会の実現などが挙げられました。
また、渋谷の街づくりについても議論が行われ、「聞こえにくい人をリードユーザーとするサービス開発」「誰もが参加できる環境整備」といった視点が提案されました。オランダの「おしゃべりレジ」や日本の「注文を間違えるレストラン」など、既存の価値をリフレーミングする事例にも触れ、新しい社会のあり方を模索しました。
デフリンピックのその先へ
イベントを通じて、聴覚障がい者の認知拡大だけでなく、社会の「当たり前」を見直すことの重要性が共有されました。単なるイベントとして終わらせるのではなく、この機会を活かして持続可能な社会の実現に向けた一歩を踏み出す必要性が確認されました。
今後渋谷新聞も、渋谷区や地域企業のみなさんと連携を深めながら、2025年のデフリンピックが誰にとっても意義のある大会になるように応援していきたいです!
▪️大会の概要
名称
日:第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025
英:25th Summer Deaflympics Tokyo 2025
大会期間:2025年11月15日~26日(12日間)
参加国:70~80か国・地域
参加者数:各国選手団等:約6,000人(選手約3,000人、ICSD役員・SD・審判・スタッフ約3,000人)
競技数:21競技(陸上、バドミントン、バスケットボール、ビーチバレーボール、ボウリング、自転車(ロード・MTBマウンテンバイク )、サッカー、ゴルフ、ハンドボール、柔道、空手、オリエンテーリング、射撃、水泳、卓球、テコンドー、テニス、バレーボール、レスリング(フリースタイル・グレコローマン))