
“誰といるよりも自分らしいの”
“そのままの君を愛しているんだよ”
“好きな場所で好きなことを”
“自分だけが未来操れる自由自在”
シンガーソングライター・Ueki Soyokaさんの路上ライブが、渋谷センター街のストリートバー「渋谷MAPS」で開催された。冒頭の言葉は、この夜彼女が歌った楽曲の一節だ。
Soyokaさんは大阪出身のシンガーソングライター。作詞・作曲に加え、楽曲のアートワーク制作まで自ら手掛けるなど、その表現は音楽にとどまらない。次世代の注目アーティストとして、じわじわと存在感を広げている。
柔らかなトークと、パワフルなサウンド

Soyokaさんは、紺色のスポーティーなパーカーにデニムのスカート、スニーカーというラフな装いで登場。トークは関西弁で、観客の目をゆっくり見渡しながら語りかける。その姿はとても自然体で、会場の渋谷MAPSがまるで自宅のリビングのような温かな空間に包まれていく。
しかし、ひとたび楽曲が始まると、その印象は一変する。先ほどまでの柔らかな空気からは想像もつかないほど、パワフルなサウンドが会場を包み込む。このギャップこそが、Soyokaさんの魅力の一つだ。
「Live for happiness」が強く響く理由

はじめてSoyokaさんの歌声を聞いた瞬間、その力強さに圧倒された。話すときより少し低く、はっきりとした声。それでいて確かなやさしさもあり、一瞬でその歌声に包み込まれる。その中でも「Live for happiness」という楽曲には、特に強いエネルギーを感じた。
冒頭で紹介した
“好きな場所で好きなことを”
“自分だけが未来操れる自由自在”
その歌詞も、この楽曲のものだ。なぜこれほど力強く響くのか。それは、Soyokaさん自身がお守りのように大切にしている楽曲だからだ。
上京し、都内で路上ライブをするようになった。しかし、管理者に止められることが多々あった。せっかく来てくれたお客さんに、一曲も歌えない日もあった。落ち込んでいた矢先、思わぬ手が差し伸べられる。同居人のシンガーソングライターseauka(しゅうか)さんが、渋谷MAPSで路上ライブをするようになった。seaukaさんは、その場所で共にパフォーマンスしないか、と声をかけてくれた。何も気にせず、思う存分路上ライブができる場所ができたのだ。
「やったるぞ」
Soyokaさんからはそんな強い想いが芽生えた。まだまだ夜は寒いのに、聞いてくれるお客さん。場所を貸してくれる渋谷MAPSという存在。そして、声をかけてくれたseaukaさん。1人でがむしゃらにやってきたはずなのに、気づけば周りには恩返ししたいたくさんの人がいた。自分の中に閉じ込めていた小さな夢が、いつの間にか大きな夢へと変わっていた。
それでも、夢を追うのは怖いと思う瞬間がある。そんな時に思い出すのが、この楽曲だという。
「大きい夢になってから、力強く歌えるようになりました」
“1人じゃない”という想いが、この楽曲をさらに力強いものにしている。楽曲が終わると、会場からは力強い拍手が湧き起こった。観客もまた、その歌声から確かなパワーを受け取っていたようだった。
関西の言葉から生まれた楽曲「知らんけど」

「それちゃうで、こうらしいで、知らんけど」
「もしかして、うち、あの人のこと好きなんかな、知らんけど」
関西の人は、「知らんけど」をよく使うのだと、Soyokaさんは笑う。どんなシーンでも使えるその言葉が、すごく好きとのことだ。そうしてSoyokaさんは楽曲を作った。曲名はもちろん、「知らんけど」だ。
アップテンポで力強いギターサウンドに、低音の心地良い声が響き渡る。観客も思わず、前のめりになる。
“知らんけど l lose control please help me, somebody”
“知らんけど 跳ねる鼓動 I wanna know your feelings”
知らないけど、理性が効かなくなる、誰か助けて。知らないけど、胸の鼓動が跳ねる、君の気持ちを知りたい。この曲は、恋心を歌ったものだった。歌詞のヒントは、バイト先から得たものだ。
バイト先の先輩に、態度が冷たい人がいた。しかし時々、切りたての髪型を褒めてくれたりすることがある。冷たさをベースに、時々見せる優しさがたまらない、いわゆる“沼”だというバイト仲間がいた。自分ではその気持ちが分からなかったが、バイト仲間の気持ちになって書いた歌詞だった。
“知らんけど”という言葉を巧みに使った、関西出身のSoyokaさんならではの楽曲だった。
大阪から東京へ。渋谷MAPSで続くSoyokaの表現

パフォーマンスを通して、関西の血が濃く流れ、明るく笑顔な印象を持ったが、思慮深く繊細な部分も垣間見えた。
人は誰しも相反するものを持っていて、そのありのままの姿でパフォーマンスするSoyokaさんには、人との距離をぐっと近く感じさせる力があった。ありのままを見せてくれる姿に、観客も心を開きやすく、感じたままにパフォーマンスを観る心地よさがあるのだろう。
自由な表現が集まる街、渋谷。
その空間に、ありのままの言葉と歌を届けるSoyokaさんの姿は、どこか自然に溶け込んでいた。人と場所が重なり合うことで生まれる音楽の時間。大阪から東京へ。渋谷MAPSでのSoyokaさんの表現は、今後も続いていく。
◾️Ueki Soyoka
大阪府出身のシンガーソングライター。
作詞・作曲に加え、楽曲のアートワーク制作まで自ら手掛けるなど、その表現は音楽にとどまらない。次世代の注目アーティストとして、じわじわと存在感を広げている。
◾️Shibuya Street Bar 『MAPS』
日本酒やカクテルを楽しめるアミューズメントバー。
手持ち花火や星空の下でのプロジェクター観賞、音楽やスポーツ観戦が楽しめるほか、マジシャンやミュージシャンのパフォーマンスも開催。
address:〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町26−7 SHIBUYA STREET cafe&bar『MAPS』
instagram: @shibuya_maps











