動いてから考える『NYLON JAPAN』編集長 戸川貴詞さんが大切にしてきたこと

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今回取材したのは、2004年に創刊したファッション&カルチャー誌『NYLON JAPAN』編集長であり、カエルム株式会社の代表取締役の戸川貴詞さん。

編集という枠にとどまらず、様々なメディアや事業を展開されている戸川さんに、これまでの歩みと、今考えていること、そして若者へのメッセージを伺いました!!

戸川貴詞はなにもの?

ーーはじめに自己紹介をお願いします。

カエルムの戸川貴詞です。大学卒業後、出版社に入社して、最初の会社で約7年半ほど、次の会社で2年半ほど働いたのち、2001年にこの会社を立ち上げました。
広告営業を3年ほどやって、その後編集職をしながら、独立の準備をしていたという感じです。

ーー多くの事業を展開されていますが、ご自身の仕事をどう定義されていますか?

難しいですね。定義づけしたことはないです。
もともとは、デザインやクリエイティブを軸にした会社を作ろうという意識が強かったんです。
そのなかで、雑誌は分かりやすいフラッグシップになると思いました。ファッションを中心としたお客さんに対しては、接点として機能するかなと。

映画を作ってみたり、他の事業もしていますが、それまでやってきたこととの接点を最初から強く意識したわけではないです。結果的に繋がることは多いですが、基本的には「事業の一つとしてちょっとやってみようかな」という感覚でやっています。

編集のリアル

▲本棚には沢山の雑誌が!!

ーー『NYLON JAPAN』の企画やモデル選定で、独自の基準はありますか?

世の中的に話題になっている方かどうか、というのは一つの軸となっています。ただ、それだけではなく、その号の世界観を体現する「顔」としてふさわしいか、という視点で判断しています。

あとは伝えたいカルチャーをどう具現化していくのか。クリエイティブな表現の仕方についても、それぞれ基準を定めてやっています。
『NYLON JAPAN』は基本的にはマインドをみせる雑誌だと思っています。

ーー企画から印刷まで、もっとも時間をかけているところはどこですか?

実際の撮影取材ですね。
撮影のコンテ作りから、リファレンスを共有しながら、どういう見せ方をしていくのかを、撮影対象の事務所の方や本人とディスカッションしながら決めていっています。

時間はケースバイケースです。
相手側にも「こう見せたい」「こういう見せ方は避けたい」という意向も当然あるので、そのやり取りの回数によって1日で終わるときもあれば何週間とかかるときもあります。

必要なところに必要な形で届けられる

ーー戸川さんが思う雑誌の魅力について教えてください。

今は雑誌は当然売れない時代です。
かつてはテレビ・ラジオ・新聞・雑誌が四大マスメディアとされていましたが、雑誌も新聞も買わなくなってきたわけで。ラジオも聞かない。いよいよテレビも見なくなってきて。そもそもマスメディアってなんだ?って時代になってきていると思います。
ただその中で、雑誌の特徴は「商品である」ということだと思います。モノなんですよね。

メディアとしての面白さというよりは、商品としての面白さ。Tシャツを作るのと感覚は近いです。
数の論理ではなくて、必要なところに必要な形で届けられるというのが雑誌の魅力だと思ってます。

ーー制作される上でこだわりはありますか?

うーん。わからない(笑)。作るものによってこだわるポイントが全然違うので。
ただ共通して言えるのは、お客様に対して誠実であること。これは雑誌作りに限らずどんな商売でも同じだと思っています。

お客様に嘘をつかないということですね。
商売の本質は、ユーザーとの信頼関係だと思っているので。
雑誌が世の中に出て、きちんと利益を出しているということは、その信頼があるということ。逆に赤字になっているようであればそれが足りないということだと思っています。

動いてから考えよう

ーー今後の展望はありますか?

会社としては、海外、つまりグローバル展開ですね。
日本だけで、取り込むだけではなく、外に出していく。ベースをグローバルにして考えるというか。最初から世界をターゲットにしたユーザーイメージで考えていきたいです。
個人としては、、やったことないことはなんでもやりたいですね。
正直、やりたいことが日々変わるんです(笑)。

すべてのことはさすがにフィジカル的にやれないので、「これは自分ならできそうだな」とか「自分だったらこんな風にやれるかな」って具体性が見えてきたらやるって感じです。

ーー最後に、若者達にメッセージをお願いします。

動いてくださいってことですね。
考えることは大事だけど、考えて動くんじゃなくて、動いてから考えたほうがいいと思います。
「こういう人になりたい」とか「こういうのが成功の形だ」と聞かれることも多いですが、そんなのやってみなきゃわかんないので。

だから、興味が湧いたらまず動く。その行動力以外から何かが生まれることは絶対にありません。
変にとらわれすぎて足が止まらないように。あとは想像することを忘れないこと、さらにいうとそれに対する感謝の気持ち。この二つがとても大切です。

行動力・想像力・感謝力。この三つを大事にしてほしいですね。

ーー編集後記

以前から、雑誌の編集長に取材がしたいと思っていたので、今回お話を伺うことができて、本当にうれしかったです。
固執しない・俯瞰するという面では、好きなことを仕事にすることが必ずしも成功につながるわけでもないし、継続・企画発案という面では興味がないことを続けられるわけでもない。今回お話を聞いて、そんなことを頭の中でぐるぐる考えました。

結果、堅苦しく考える前にとりあえず行動しようという結論に。

というわけで気になっていたアルバイトに応募してきました!(笑)。
なんでもやってみるガッツ精神でいきます。

今現在私は自分の好き嫌いや得意不得意が見つかっていません。
だからこそ戸川さんがおっしゃていたように、とにかくたくさん動こうと思います。

昨年は上京して、一人暮らしをして、初めてのアルバイトにインターンにと個人的に激動な一年でした。そんな一年を送れたのも周りに支えてくれた人がいたから。
みんなありがとう。今年は、”はちゃめちゃわんだふる”な一年にします!

感謝の気持ちを忘れずに!邁進!

◾️戸川貴詞
1967年生まれ、長崎県出身。明治学院大学卒。
2001年にカエルム株式会社を設立し、2004年に「NYLON JAPAN」創刊。
現在、同社代表 取締役社長、「NYLON JAPAN」編集長、「CYAN」編集長などを務める。

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